ベタ慣れ度3【一緒におふろ】

「久しぶりの水浴びですね…。

あ、すみません、暗い顔してました?

…もちろん楽しみですよ…楽しみなんですけど…」


「…正直ちょっと不安です…」


「水が怖いわけではないんです。

これまでもあなたがわたしのために、ガラス加工体験会?で作ってくれたお皿の上で涼んでましたし」


「あのお皿、わたしの名前が刻まれてるんですよね。

ふふ、気づいてましたよ。

素敵なご主人様だな~って」


「それで…怖いのはシャワーです。

人間はシャワーで体を洗うんでしょう?

あれ、ブワーって勢いが強くて痛そうだなと…」


「ね、素敵なご主人様。

おふろ、わたしと一緒に入ってくれませんか?」


「2人分の水着を買ってくる…ですか?

わざわざ、そんなお手間は……

そこまで言うなら…じゃあ、お言葉に甘えて」



      …………………………



「こ、これ、あなたのシュミですか」


「裸は恥ずかしいって言って、買ってきたものがこれって…」


「…あなたってむっつりさんなんですね?」


「着がえるところ…見たいです?」


「そういう反応になるの、むっつりさんの特徴だって、この前テレビで言ってました」


(着ていた服を脱いで、水着を着用する音)


「…ん…本当にヘンタイだな~。

これもうほぼコスプレ衣装ですよね?」


「これを一人で買ってくる情熱を、他で発揮してほしいな~」


「んっしょ、よいっしょ、ふっ、ここ、きつ…。

…これは…?こう…かな」


「…完成!はい、こっち向いていいですよ!

じゃじゃ~ん!どうですか~?

あなた色に染まったわたしです!」


「あぁ!鼻血が!!

しっ、しっかりしてください!!」



     ………………………………



(ハンドルを操作し、水を止めるキュッという音。しばらくポタポタと水音が続く)


「ありがとうございます、こんなことにまで付き合っていただいて」


「思ったより怖くなかったですし、気分もスッキリしました。

シャワー、これから毎日一人で浴びられそうです!」


「…どうしてそんなすみっこにしゃがんでるんですか?

なにか隠してるみたいに…」


「あ、わかった!

発情期でs…もごぉ、ちょっ!なんですか?」


「ご近所さ~ん!わたし、襲われてます~!!」


「きゃっ、あっ♡ん、むぅ!急にぃ…!

ふぅ…口封じってやつですか?

……ふふふ、わたしが人間になってはじめて、あなたからキスしてくれましたね」


「いいんですよ?わたしをあなたの好きなようにしてくれても。

…な~んて。

このセリフもテレビで言ってたんです、うふふ」

(いたずらっぽく笑う)


「インコの特技は言葉をマネすることですから」


「…なんだか汗ばんできちゃいました…。

シャワー、もう一度浴びてもいいですか?」


(激しい水音。再びハンドルを操作し、音は止む)


「ふぃ~、極楽です~!

…一仕事終えた後のおじさんみたい?

む~!失礼な!」


「そんな表現しか出ないからモテないんですよ。

あ、イラついた。

また強引に唇を奪うんですか~、ふふ、どーぞ、

ちゅ♡えへへ~」



      …………………………



「さ、また嗅いでもらっていいですか?

今度はクサくないかどうか」


(密着し、圧迫感のある音。

インコちゃんの心臓の鼓動が聞こえる)


「ド、ドキドキします…。

う~、早く判定してください~」


「…落ち着くニオイ…?

いい匂いとは言ってくれないんですね」


「クサいよりは遥かにマシだけど、なんだかなー」


「…あれ?寝ちゃいました?

お~い、もしも~し。

よっぽど疲れがたまっていたのか、普段女性と絡まないから、刺激に耐えられなかったのか…」


「あなたなら後者もあり得そうですね…。

ところで、あの…そこはあまりにも…。

…む、胸の位置を狙って眠りについたわけじゃないですよね?」


(心臓の鼓動の音が早まる)


「わたしの気も知らないで、まっさらな顔しちゃって。

ご・しゅ・じ・ん・さ・ま~!

…やれやれ、無垢なんだか、どうなんだか」


「まぁ…しばらくこのままにしておきましょうか」



🦜🦜🦜🦜🦜🦜ベタ慣れ度が4にUP!!!!⤵

   次回ベタ慣れ度4【つめきりこわい!】

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