第7話 小人のキッド

ガルーダは森の中でも木々が少ない地点にやっとの事で降り立った。



シルスラと小人のモンスターもガルーダの背中から降りる。



「あ、ありがとう」


小人はガルーダに感謝する。



「ああ、気にすんな。感謝ならそのシルスラに言うんだな。あいつがお前を助けようなんて言わなきゃ俺はそのまま飛んでいっちまったところだったからな」


ガルーダは近くの木にもたれかかりながら言った。



「ありがとう。どうして僕のことなんか助けてくれたの?」


シルスラの方を向きながら小人は言った。



「困ってるのを見たら助けなきゃって思って。それに僕もよく人間に襲われるんです。経験値がいっぱいもらえるからって」


シルスラは小人に同情の気持ちを感じながら言った。



「お前も同じ感じで狙われてるんだろ。その袋に大金が入ってるとかさ」


ガルーダが小人に言った。



「たしかに僕の仲間が珍しいアクセサリーとかお金を持ってるから人間の間であのモンスターを倒せば良いものが手に入るなんて噂になってるんだけど僕はそんなもの持ってないんだ」


小人は担いでいた袋を下ろしながら言った。



「じゃあ、その袋には何が入ってるんですか?」


シルスラが尋ねた。



「僕のおばあちゃんが病気で。それを治せる薬草を手に入れるためにこの袋を持ってきただけなんだ。今は食べ物が少ししか入ってないよ」


小人が実際に袋から出して見せてみた。

どうやらこの小人もモンス村の出身のようで魔王城の近くに生えるという幻の薬草を求めて村を出たとのことだった。



「実は僕たちも魔王城へ向かってるところなんです。良かったら一緒に行きませんか。その方が安心だろうし。ガルーダさん良いですか?」


シルスラは提案した。



「お前は本当にお人好しだな。まあせっかくこうやって出会えたんだ。向かうところもほぼ同じだし一緒に行くか」


少し呆れたようにガルーダが言う。



「え、ありがとう。僕一人でどうしようかと不安だったんだ。本当に嬉しいよ」


涙を浮かべながら小人は言った。



「じゃあ一緒に行きましょう。僕はシルスラです。よろしく」


「俺はガルーダだ。ま、仲良くしてくれ」


二人は挨拶をした。



「僕はキッドって言うんだ。これからよろしく」


こうして三人は互いに自己紹介を済ませた。



気づいたらもうかなり夜が深くなってきた。出発は明日にして今日は休むことにした。

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