第6話 救出
モンス村を出発したシルスラとガルーダは上空を飛んで魔王城へ向かっていた。
「へへ、これならよっぽどのことがなければ人間には狙われないぜ」
ガルーダは言った。
「でも空を飛ぶモンスターもたくさんの人間にやられてますよね。なんで?」
シルスラは気になった疑問をぶつけた。
「ああ、生活費を稼ぐには人間を襲わなきゃいけないからな。仕方なく地上に降りて襲うんだけどそこでやられちまうってわけさ。本当に嫌な世の中だぜ」
ガルーダは悲しい目をして言う。
「そうですよね。モンスターだって襲いたくって襲ってるわけじゃないですよね。いつか分かり合えるときが来ると良いなあ」
シルスラが真面目な顔で言う。そして何気なく地上を覗き込んだ。
「あ、ガルーダさん。ちょっと戻って。下を見てください」
シルスラが言う。
ガルーダもそれに従い地上を目を凝らして見てみる。
すると小さなモンスターが三人の人間に襲われていた。
「助けなきゃ。ガルーダさん。降りてもらえませんか?」
必死にシルスラは言う。
「おいおい、無用な争いは避けるべきだぞ。やめておけ」
負けてしまうかもしれないとガルーダは思って言った。
シルスラは真剣な眼差しをガルーダに向ける。
「わ、分かったよ。でも危険に感じたらすぐまた飛ぶからな」
シルスラの視線に負け地上へ向かっていく。
「待てコラー。お前を倒せば良いアイテムと金が手に入るんだ。おとなしく俺たちに殺されろー」
リーダー格と思われる男が言った。
「ワシの斧でぶった切ってやるわい」
斧を持った大男も続けて言った。
小人の袋を担いだモンスターは必死に逃げ回っていた。
「小人さーん。こっちに捕まってー」
地上に近づいたガルーダの背中に乗るシルスラが必死に呼びかける。
ガルーダもギリギリまで小人に近づいていく。
気づいた小人はなんとかガルーダにしがみつく。
「あ、クソ。仲間を呼びやがった。逃すかよ」
リーダー格の男が言う。
「私の魔法であの鳥撃ち落とすわ」
魔法使いの女が言い。何やら呪文の詠唱を始める。
「サンダー!」
するとシルスラたちの頭上から雷が落ちてくる。ガルーダはなんとか避けていく。
「サンダー!サンダー!」
続けて女は呪文を唱え続けた。
「しまった!」
女が唱えた魔法の一発がガルーダの翼を直撃した。
するとガルーダは飛ぶ高度がだんだんと低くなってきてしまった。
「ガルーダさん。ミイラ男さんにもらった剣をあいつらに投げて!」
焦ったシルスラは言った。
「クソ、こんな早くに使うことになるなんて」
そう言いながら痛みに耐えてガルーダは三人の人間に投げ捨てた。
「おい、みんな待て。こいつはレアな武器だぞ」
三人は武器に気を取られた。
そのうちにガルーダは力を振り絞り近くに見えた森へ向かいなんとか飛んでいった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます