第4話 食料調達

道具屋をあとにしたシルスラたちは道具屋の二軒先の八百屋に到着した。建物の裏側には大きな畑があった。ここで野菜を作って売っているのだろう。



店内の中央にグレーの毛並みをした狼男がシルスラたちを睨むようにして立っていた。

思わずシルスラはガルーダの後ろに隠れた。



「よ。お疲れさん。元気かい?」


ガルーダがそう尋ねても狼男は微動だにせず腕を組んでいた。

そうかと思えば店の奥に入っていき何やら木の板とチョークを持ってきた。

そしてスラスラと文字を書いていった。


『いらっしゃい。今日もいいのが揃ってるよ』


木の板にはそう書いてあった。



「ああ、相変わらずの口下手なんだな」


ガルーダが少し呆れて言う。



「こいつはウルフって言うんだけどこんな見た目なのにすごい人見知りで口下手なんだ。だからこうやって筆談しかできないんだよ」


ガルーダは頭をかきながらシルスラに説明した。



「へえー。なんか意外です。狼男さんってもっと人を襲ってお金とか奪ってるのかと思いました」


シルスラは急に親近感が湧いてきていた。



「まあ、こいつは特殊だからな。人を襲うなんて絶対ないだろな。でも人間からしたら同じモンスターなんだよな。何もしなくてもモンスターだからってだけで殺されちまう。だからこうやって村に隠れ住まなくちゃいけないんだよな」


ガルーダは言った。



「人間もモンスターも一緒に生活できないんでしょうかね。そうなれば翼なんてつけてもらわなくても良いのに」


シルスラもガルーダの意見に同調した。



『で、買い物はどうするんだ。あんまりいられると困るんだけど』


ウルフが木の板の文字で主張した。



「ああ、ごめんごめん。忘れてたわ。じゃあこれとそれとあれと、、、」


ガルーダはとりあえず当分は食べ物に困らない程度の野菜と米を買った。



「よし。んじゃ最後に村長に挨拶でもして出発するか」


ガルーダが言う。



『ありがとうな。また来てくれよ』


ウルフは最後まで言葉を発しなかった。



店を出たシルスラたちは今度は村長の家に向かうことにした。

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