第5話 何でもかんでも「部分を総和に組み入れる」(愚かさ)

さて、表彰式も終わり、大会終了・解散となった時、会場から離れようとする私のすぐ後ろで「ワッショイ、ワッショイ」という掛け声が聞こえます。

振り向くと、部員たちによるOB会長や監督・コーチの胴上げが始まっています。

私は数メートル離れたところで、ダブりという立場からの感慨に耽りながら、そんな光景をしみじみと眺めていました。

すると、胴上げをしていた一人のOBが私の姿を認めるや、象のような巨体を揺るがし、鬼のような形相でこちらに向かって突進してきます。そして、「ヒー・ラー・グー・リー !」と叫びながら、その最後のホップ・ステップ・ジャンプで、ガツンと一発、私の目の前に星が燦(きら)めきました。

「きーさーまー、みんなが胴上げをやっているのに、なんでお前だけが偉そうに眺めているんだ !」「一緒に胴上げをやってこい !」と、もの凄い剣幕。

後日、キャプテン中村が「優勝して何が嬉しかったといって、平栗先輩が涙を流しながら胴上げをされている姿に感動した。」なんて言ってましたが、(私も嬉しいにはちがいありませんが)何も泣くほどのことでは・・・。

日本人とは、いつまで経っても「部分(国民)は、全体(政府)の命令に和(盲目的に服従)しなければならない → 『令和』という年号の意味」のだろうか。

2024年8月5日

  2024年8月6日

2024年8月7日

  夏になれば思い出す Part 1 優勝 V.3.1

  平栗雅人

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