第31話 反省
兵士の死体は全部アイテムボックスに回収して持って行く事にした。
死体の入ったアイテムボックスは全部俺の着ている服に貼り付けて切り離し、魔道具化してある。
『全部入ったの』
『ああ、レベルが上がってアイテムボックスのサイズがかなり大きくなったからな』
『死体なんて持ち歩いてどうするのよ』
『魔獣や動物に食われるのも可哀想だし、その内に埋めるか燃やすかするつもりだ』
『なら、出発していい?』
『ああ、そうしよう』
俺がラッセルの上着のアイテムボックスに戻ると、ケイトがラッセルに伝える。
「片付いたわ、出発しましょ」
「わかりました」
ケイトはアイテムボックスには入らずに歩いて行くらしい。
俺はアイテムボックスの中で、先程の兵士達の事を思い返す。
俺自身やケイトにとって必要な事とは言え、人殺しだ。
平和な日本に育っていた身としては、かなりのストレスを感じる。
精神的にきっついなぁ・・・
毛布にくるまってゴロゴロしていると、アイテムボックスの中が広くなっていない事に気が付いた。
あ、このアイテムボックスは切り離して魔道具化しちゃってるから、レベルが上がったからって広くはならないのか。
まぁ、移動用だし広くても意味はないしな。
レベルが上がった事でアイテムボックスが3.5×3.5×3.5になったから、新しく作るアイテムボックスの収納できる容量は増えた。
350cm×350cm×10cmのプレートにしたアイテムボックスだ。
それを35枚を平地や建物の中で床や地面に貼り付けるのだから、俺に近づくのはかなり難しいだろう。
だからと言って、人間をアイテムボックスでザクザクと切り刻むのは、もうあまりやりたくは無い。
そこでジョインのスキルを活用しようと考えている。
"ジョイン"
スキルを発動してみると、右手の指先から伸びた光る刃がアイテムボックスの壁に刺さったまま動かない。
あ、170cmのボックスに230cmの光の刃を出したら、そりゃ壁に刺さるか。
短くは出来ないのかな?
刃の部分を触らない様に指でつまんで引いてみると、スルスルと壁から抜けて短くなってゆく。
おお、出来るっぽいな。
使い易い長さは1mぐらいが使い易いか?
アイテムボックスの中だし、長さを調節して1mぐらいで振ってみる。
スッ、スッ、スッ
風切り音もしないし指先だけで動かせるから、光の刃の動きはかなり速い。
この光の刃で斬り付ければ相手を殺さずに済むハズだ。
いざとなれば長さを230cmに戻して使えば剣の間合いより外から攻撃出来るだろうしな。
移動中はこの"ジョイン"のスキルを使いこなせる様に、アイテムボックスの中で振り回す練習をしておくか。
この光る刃はジョインのスキルを発動すると出て来る剣だし、"ジョイン剣"とでもしておこう。
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