第15話 ステータスについて
「ステータス、オープン」
黒須裕二 ヒューマン ♂ 25歳
HP 74%
MP 1(120)
所有ジョブ
スペーサー LV 12
体力 52
腕力 45
脚力 55
敏捷 38
器用 75
動体視力 67
知識 86
知能 72
魔力 78
精神 32
運 5
マナ回復 10
所持スキル
ボックス LV 12 140×140×140
ジョイン LV 2
魔術
ー--
精霊術
ー--
あれから月に一度のパワープレイで1だったレベルは12になり、MPは120まで増えた。
俺からアイテムボックスの魔術具を搾取する側としては、レベルが上がってMPが増えれば作れる魔術具の数は増えるし、ボックスのサイズも大きくなるから冒険者を雇ってのパワーレベリングなんて必要経費なんだろう。
まぁ、依頼を受けた冒険者は俺達のレベルが1つでも上がると、残りの時間は自分達の為にしか使おうとしない。
だから一回のパワーブレイで上がるレベルは1だけだ。
スキルの熟練度だけならば、毎日のノルマ製作でMPが空になるまで作っているだけに、とっくにレベル30ぐらいにはなれる程稼いでいる。
だが、スキルレベルがジョブレベルより高くなることは無い。
スキル経験値だけをいくら稼いでも、カルマを得てジョブレベルを上げなくてはスキルレベルの上限が解放されないからだ。
つまり、スキル経験値をそれだけ稼いでいてもジョブレベルが12なので、スキルレベルもまだ12のままなのだ。
パワープレイは月に一度なので、俺のジョブレベルが12までしか上がっていないのは仕方がない事だろう。
まぁ、ボックスの大きさも140×140×140cmとなったので、アイテムボックスとしてはそれなりの量が収納出来るサイズになった。
そして、レベル5とレベル10になった時にボックスの同時に出せる数が1ずつ増え、今は合計3つのボックスが同時に出せる様になっている。
ケイトから聞いたジョブの基本法則として、ジョブレベルが10・30・50となる時にスキルを1つ覚えるらしく、俺はレベルが10になった時に新しいスキルを覚えた。
それが、ジョインというスキルだ。
ステータスボードに書かれていた説明部分によると、ジョインというスキルは「空間を接続する」事が出来るとの事だった。
「ジョイン」と唱えると指先から光の刃が20cm出てくる(レベル1時点では10cm)。
その光の刃は石でも鉄でもスッと何の抵抗も無く切断してしまった。
2つに切断した断面は黒くなっていて、切断した黒い面同士は異空間で繋がっているのだそうだ。
試しに切断した片側の黒い面に指を入れると、もう片方の切断面から指先が出て来たのには驚いた。
ステータス画面の説明を読むと、「物を切断した訳ではなく空間を繋げた状態」なのだとか。
だから、生物を切断しても血は出ないし機能も損なわれないとの事だ。
そして、ピタリと切断する前の状態に戻した所で「リターン」か「デリート」と唱えれば、接続した空間は消えてピッタリとくっつくのだそうだ。
また、切り離した状態で「リターン」か「デリート」と唱えてしまうと、空間が消える事で切断された肉体になってしまい、空間魔法では二度と元に戻す事は出来ないのだとか。
俺は恐る恐る左の足の指で試してみた。
切り離した足の指に痛みは無く、問題なく動いている。
ふう、成功か。
そして切り離した部分をくっつけた状態で「リターン」と唱えると、足の小指は元通りになっていた。
おお、戻ったぞ。
レベルが上がった時に光の刃が10cm伸びたから、スキルレベルを上げていけば武器として使えそうだ。
レベルが上がって光の刃の長さが1ⅿもあればいい武器になるかもしれない。
ジョインのスキルを新たに覚えた事がきっかけで、脱走の計画が現実味を帯びて来たな。
このスキルを使えば、奴隷部屋の扉も城の壁も斬って抜け出す事が出来るだろう。
・・・ただ、この城を脱出しても、俺は言葉を話す事の出来ない上に杖を突かないと歩けない。
杖を突きながら徒歩で移動なんてしていれば、あっという間に追っ手に捕まってしまう。
やはり、徒歩以外の移動手段が俺達には必要になって来るか・・・
クソッ、足の腱を切ったのは逃亡防止の為だろうけど、これがかなり効いている。
この世界では移動する本人が直接馬に乗るか、馬車に乗るのが一般的な移動手段だとケイトから聞いている。
追っ手を考えれば乗合馬車に乗るのも危険だろうけれど、外部の協力者がいれば何とかする方法は俺にはある。
後は、ケイトが何か協力者に関する情報を持って帰って来てくれる事を期待するしかない。
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