赤毛のアン/モンゴメリ 村岡花子訳
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ちょっとした手違いから、グリン・ゲイブルスの老兄弟に引き取られたやせっぽちの孤児アン。はじめは迷惑がった二人も、明るいアンを愛するようになり、アンは夢のように美しく美しく移り変わるカナダの自然の中で、少女から乙女へと成長してゆく……。愛情に飢えた、愛すべき人参あたまのアンが巻き起す、愉快で滑稽な事件の中に、人生のきびしさと暖かい人情が織りこまれた少女文学の名作。
(裏表紙より)
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数年前に初めて『赤毛のアン』を読んでから私はすっかりこの物語の虜になりました。子どもの頃に出会いたかった、と読み返す度に思います。大人になってから読んでももちろん素晴らしい物語には違いないんですけどね。
残念ながらまだシリーズ全てを読破できていません。しかし、シリーズ一作目のこの『赤毛のアン』は何度も読み返しています。憂鬱な気持ちになったときはいつも、アンに会いたくなるからです。
プリンセス・エドワード島の美しい自然の中で、のびのびと豊かな空想を巡らせるアンのおしゃべりには惹きつけられますし、キラキラと輝かしい言葉たちは心を明るく照らしてくれます。
“朝はどんな朝でもよかないこと? その日にどんなことが起こるかわからないんですもの。”──p51
私が好きなアンのセリフです。
朝は気分が沈みがちだった私の胸にとても響きました。
まだ始まったばかりのまっさらな朝を不安で塗りつぶすのは勿体無いことだと気付いたのです。
“紫水晶って、おとなしいすみれたちの魂だと思わない?”──p137
“すてきな虹じゃない? 森の女神があたしたちが帰ってしまってからあらわれて、これをスカーフにするんじゃないかしら”──p252
これらもアンのセリフです。素晴らしい感性に、惚れ惚れとします。
アンの空想とおしゃべりの魅力、マリラやマシュウを始めとした温かな(ちょっと意地悪な子もいるけど)アヴォンリーの人々との交流、豊かな自然と手作りに囲まれた丁寧な暮らしぶり。
『赤毛のアン』は何度読んでも飽きないし、読む度に少女の心を思い出させてくれ、夢中させてくれます。
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