第9話

 なんなんだよ、あのオッサン。


 僕の子たちを全く理解してない。


「あ〜あ、折角なぁ俺様が有り難い御言葉をお前に与えてやっているのにとんでもねぇ〜やつだな 今日も逃げるのかぁ〜」


 オッサン商人のことは無視して、家へと歩いていく。


 いちいち関わっていると、ろくなことにならない。


「ぷぅ〜〜ボス、ボスやっちゃっていい? このまま帰っちゃうと群れの評判が下がっちゃうよ?」


「こらこらメーニャ、アレンが帰るって言ってるの。ご主人様が決めたことに口出ししないの。それにやるならこんな人気が多いところ駄目よ」


「わたし……嬉しかったです」


「僕は当然のことをしているだけだよ。ごめんな、辛い思いさせて……それとそんな恐ろしいこと言っちゃ駄目だよ」


 はぁ……今日もまた、この子たちは売れなかった。僕がお金持ちになるのはいつになることやら…(;´д`)トホホ…


 いや、内心は売れてほしくないとも思っている節がある。少なくとも僕が大切に育てたものだからね。


 う〜〜〜ん複雑だよ、本当に。

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