第8話

「アレンさんほんっと分かってねえなぁ〜。それだからいつまでたっても零細商人なんだぜ? お前の性格とやらが矯正されたとしても、そんな商品じゃあ買い手なんてこねえだろうがな!」


「――っ!……本当に不快。もういい、今日はもう店仕舞だ。三人とも、帰ろう」


 俺はバッグを抱え、オッサン商人を睨めつけた後メーニャたちを一瞥する。


「モグモグ……うみゃうみゃ……にゃ? ボスもう帰るの~? 今メーニャ、おやつの時間だからちょっと待ってね〜」


メーニャが自分の顔より大きい生肉を頬張っている。


「こんな時に呑気な…まぁメーニャらしいね。ていうかそれどこで取ってきたの!? もう少しでご飯の時間だから変なの食べないでね」


「アイアイサー!」


口元が肉汁や血でベチャベチャの口で元気よく返事をする。


「いいの? まだ時間はあるけれど」


「だ、大丈夫なんですか?」


「いいんだ。今日は帰ろう」


ルネやエレナにも声をかけ早々と立ち去る。


 全く、毎回あのオッサン商人に絡まれて帰っている気がする。


 

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