第7話
「おいおい! アレンさんよぉ、また売れなかったのか?」
「……あんたには関係ないでしょ」
またも売れずため息を吐いていると、同業者であるオッサン商人が声をかけてきた。
「いーや。同じ奴隷商人として心配なんだぜ俺ぁよ?」
心配って言いながらも、このニタニタ笑っているオッサン商人が何を言いに来たのかなんて分かりきっている。
「うーん、やっぱりお前には才能がないんだわ。お前はな、奴隷を奴隷として見てねぇ。ただの商品に情を抱いている大馬鹿ってところだもんな!」
「うっせえ。そんなの僕の勝手だろ」
僕は僕のやりたいようにやっている。
それに、自分が売っている商品を大切にするなんて当たり前のことだろ。奴隷だって一生懸命生きているだ、大事にするだろ。
万が一売れたのなら、そこで幸せになって欲しいと願うのは当然のことじゃないのか。
「そ・れ・に。お前が扱っている魔族ってやつは商品の価値すらない。全く使えそうには見えねえじゃねえか。ああ? よかったら俺様がそいつらに教養とやらを叩き込んでやろうか?」
オッサン商人が舌なめずりしながら近づいてきたので、俺は立ち上がって突き飛ばした。
そろそろいい加減にして欲しい。
「僕の大切な子たちをそんな目で見るな! 不愉快なんだよ!」
今回は強めに拒否をする。
――今頃は大金持ちになる予定だったのにちっとも商品が売れないそれが今僕が貧乏な要因だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます