CHAPTER:イキトシイケルモノ
Larsort.
通称ラゾートと呼ばれる何かがある。
詳細は不明だ。
それが
もしかしたら動物とか植物かもしれない。
それとも人間?それはありえないか。
何故この国は
私の親は兄に酷いことを言った。
兄は
大学にも姉しか行かせなかった
「お前は
と言った。
なら「
馬鹿な父だ。
姉も姉で馬鹿な女だ。
大学で遊び
「あ~あ。私も分かってて勉強しているから馬鹿なんだろうな。まあいいか」
しかし大好きな兄も、大嫌いで許せない父や姉とも本当は住みたくなかった。
そして兄を庇えなかった
時にサボるが。
私には友達がいた。
男子一人、女子二人。 名前は何だったかな。
スクールカーストなんてものが出来てから下位にいる私たちはかっこうのいじめの対象だった。
辛くて、辛くて、四人で耐えるのが精一杯だった。
いじめていた奴の正体は
取り巻きに追い詰められた友達は次次と自殺をした。
私だけ生き残ってしまった。
家庭にも学校にも居場所がなかった。
私は学校を
アニメみたいに屋上なんてないし、
「ま、待って!私は何にもしていない。だからっ……」
「女の子だからといって
え?
な、何?突然の事で私は口を閉じた。
気配を殺して。
「確かに私はいじめをした。でも、私いがっ…あぁぁぁぁ……」
「
その人は私に気がついたのか動きを止めた。
やばい!こっちに来る!
私は半ば
「ごめんなさい。降参しますから。」
こうなったら
これで友の元へ行ける。
「君が
その人は私の名を呼ぶ。 名前を知っているのも怖いがもう考えるのをやめた。
しかも
「君の友達から話を聞いている。奴らを俺が始末する」
私は恐る恐るたずねた。
「あ、あのお……私、友達はもう死んでいて……今は誰とも私は距離を置いているのですが……」
よく見たら
年齢は
中学生の私よりは歳上だが成人は超えていなさそうだ。
人を見る目の無い私には
「そう言えばそうか。実は、亡くなった君の友達の親族から頼まれていてね。
いつの間にそんなことになっているのか。
本来誰かを殺されたらそう思うのがスタンダードな
私はいつの間にか一人に慣れてしまっていたのだ。
親しかった筈の人達の名前や活動を忘れてまで私が中学生活を送る理由は何なのだろう?
「貴方は…何者なんですか? 」
恐る恐る聞いてみる。
「
それなら大丈夫そうだ。 私、今もあの三人のことを忘れているから。
するとオレンジジュースを裂獲という人から手渡された。
いつの間に!
「オレンジジュースが売られている自販機は数少ない。炭酸かコーヒーかお茶か水。今の日本は経済が崩壊していてオレンジジュースは貴重品だ」
「もしかして、
「いいや。独り言だ。嫌いなら別の飲み物にする」
この人はいい人なのだろうか?
◆
私達は夕暮れを山で過ごした。 裂獲って人が私を乗せてくれた。
運転中、彼の
「こんな山があったなんて。私は
「視野はある程度広がるだけでいい。君はそれでいいんだ」
それでいい…か。 友の名前も忘れた私。
覚えてるのはラゾートに対する
そんな中学生、
「私は貴方に
すると裂獲は拳を強く握りしめて何かを呟いた。
「俺たちは教育と労働、金銭に殺された。全ては人間の浅ましさが引き起こした苦痛だ。これからは俺が
ああ。 それであの女の子を殺せたんだ。
首謀者に対する憎しみを強く感じた。
きっと
「貴方って不思議。
友を忘れた私に言える資格など無い。
これは単なる
「俺は君を守る。君が友の事をを忘れているのは君が
すると拍手をしながら影を纏った誰かが現れた。
「いいねえ、青春だねえ。俺の部下を殺しておいて幸せを語る!
一体誰?
「限られた存在のみが得られる快楽。人はそれを天国といった。バカバカしい話だろう?とっくに死んだ
じゃあ、こいつが私の友を
「ラゾートか。SNSで拡散されているメタバースに次いで人類が行きたがっている
そうだ。
そこに行きたいから私も生きているのだ。
そもそもラゾートは本当に
私もずっと
「なら
謎の人間も影を
「ふ……ふ……ふふふふふふ……! 」
「勝負は着いた。高笑いはあの世でしろ」
私は胸に痛みを感じたので恐る恐る見ると、刃が刺さっていた。
え?私も死ぬの?
「な、
殺られている筈の謎の人間は余裕を見せた。
「いやあ、部下であるガキを利用すればその女も自殺してくれるのかなあと思ったらお前が現れたからね。
じゃ、じゃあ……最初から私を殺す為に?
「その女の子は記憶を失っている。
私の身体が輝きはじめた。
赤く光る私の身体。
「今日も虐められたけどさ、次はなんとか皆で乗り切ろう! 」
え?
「ギークで何が悪いの?割り切って生きていかなきゃやっていけない」
これは?
「
そうだ。 そうだった。
皆の事、忘れていたのは……
グアアアアアア!
私は
「な、何だと!まさかこいつって……」
首謀者は息も
「お前……た……ち……理想に……殺され……」
謎の
あれ……私ももう駄目かな……
私の身体が血に染まり、更に光り輝く。
そして
「そ、そんな! 」
「いいの……これが最初から私の望み。貴方のせいじゃない。受け取って……そしてラゾートの事を……教え……て……」
誰かを助けるなんて初めてだ。 でもごめんなさい。
命の
こうしている内に夜が明けてしまった。ラゾートより、この山ではしゃぎたかったなあ。
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