どうするの!?

いつも見ている部屋のはずなのに、なにもかもが違って見える。

「普通じゃない。」

私はいつの間にかそうつぶやいていた。

「ど、どうしよう。私たちもう元には戻れないのかな。というか戻れなかったとしてどうやって生活すればいいの!?ご飯とかも調理できないし、寝る場所もないよね。どうするの!?」

華乃が早口でしゃべる。

「は、華乃!落ち着いて!あそこに小さなお人形用のハウスがあるの分かる?そこならなんとか生活できそうじゃない?」

「え?ハウス?用意してたの?」

何を言っているんだ、華乃は。完全にパニック状態になっている。

「食べ物は分からないじゃん。人形なんだからお腹がすくのか分からないし。だからまずは。」

私がハウスに行こうと話そうとした瞬間、

「じ、じゃあとりあえずあのハウスに行けばいいのね?」

そう言うと華乃はハウスへと短い足で走っていった。一方私はどうしたら元に戻れるか、それだけを考えていた。転んだとき一体なにが起きていたのか。人形にぶつかったからこの体になったのか。それともこれは単純に私の夢なのか。どちらにせよ早く元の姿に戻らないと。

「ねえ、華乃!2人で倒れたとき、どこに向かって倒れた?」

「え?どこって…多分そこのテーブル。」

じゃあ人形に当たったからこの体になったという可能性は低い。人形はずっとハウスの中に置いてあるからテーブルの上にあるはずはない。一体どうしてこの姿に。

「戻るにはどうしたらいいんだ?」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る