なにかが違う…?

 華乃はいつも明るい。そして華乃はキラキラの笑顔をする。華乃と一緒にいると楽しい。今日も二人きりでホームパーティーだなんて。時間が過ぎるのを早く感じた。もうすぐ夕暮れだ。

ずっとこの時間が続いていけばいいのに。そう思っていたとき

「舞は嫌じゃない?」

華乃がいつもより低い声で私に話しかける。そう言った華乃の顔は疲れているような笑顔だった。

「え、なにが?なにかあった?」

急な暗い話しでびっくりした私がそう聞くと華乃は突然立ち上がった。

「やっぱ、なんでもない。」

なんでもないわけ無いだろう。あきらかに華乃はなにか言おうとしていた。

「ねえ。なんて言おうとしたの。」

そう言って立ち去ろうとする華乃の腕を掴んだそのとき。

「あっ。」

こけた。華乃の腕を掴んだままこけた。この歳になって立ち上がろうとしてバランスを崩したなんて恥ずかしくて言えない。しかも華乃を巻き込んだ。最悪だ。

 「まい…まい…舞!」

華乃の声。寝ていたのか私。こけた後まさかの爆睡。恥ずかしい。

「華乃ごめん。わたし華乃を巻き込んだよね。」

「そんなことより!どうしよう!私達人形になっちゃった!」

え?え?え?嘘だろ。体がもふもふしている。目線がものすごく低い。いつも見ている家具、小物たちが巨大なビルのように見える。本当に人形になってしまったのか?たしかに華乃の姿は小さなクマの人形だった。信じられない。私達は小人どころか普通なら命のない人形になってしまったのだ。いつもとは全然違う世界に迷い込んだ。

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