リオ、魔法の講師になる!その2
リオが魔法の講師に内定して以降、
結局、リオは計画を立てることができなかったため、ボクがリオに魔法を教えてもらった時の事を思い出して作ったんだよ。
この時、コツコツ書いていた日記が大いに役立った!やっぱり魔法が使えるって事でボクが舞い上がってしまって、大興奮だったんだよね~!事細かに書いてたよ。
リオが小さな猫っぽいサイズだった写真もあったよ!懐かしいなぁ〜!
こうして、
「おー!?これがカリキュラムってヤツかー!」
「リオがボクに教えてくれた内容をそのまま書き出したんだけど、こんな感じでいいかな?」
「そうだなー。···ちょっとゆっくり過ぎないかー?アキはもっと上達が早かったぞー?」
「リオの授業ばかり受けるわけじゃないし、ある程度余裕見てないといけないからね。学生さんはボクみたいに魔法が上手に扱えないかもしれないし」
「なるほどなー。まー、これで大丈夫だぞー!」
「じゃあ、これを提出しようか!」
「おう!今日はお礼にオレの料理のフルコース?ってやつでおみまいするぞー!」
「だが断る!!」
「即答ぉーー!?」
リオと一緒に提出したカリキュラムは無事承認され、次年度、つまり4月からの授業のラインナップに組み込まれた。
授業は半期単位、週2回行われる。大学と同じで90分授業、もちろん、試験もあるぞ!
授業の定員は初級・中級・上級それぞれ20名。あんまり多いと管理しきれないし、そもそも選択する学生がいるかもわからないからね。
···その心配は無用だった!定員の20倍も選択してきたんだ!
仕方ないので、定員はそのままで授業枠を倍にした。それでも抽選になっちゃったけどね···。
これによってリオはボクと同じぐらい超忙しくなった!
1日は5限までだから、授業のコマは週25個ある。このうち、12個が埋まってしまう形になるんだよ。『だったら半分じゃね?』って思うでしょ?これでもきつい理由はあるんだ。
それは···、リオはお寝坊さんだから1限の授業はまず間違いなく間に合わない!毎日ボクが起こすのも大変だからね!ボクが出勤までに起きれたら転移で通勤ができるけど、間に合わない場合は高速飛行でぶっ飛ばして来てもらうしかないんだ。しかも超音速でないと間に合わない!それは近所迷惑極まりないよね?
結局授業は午後の3限以降になっちゃったから、これで15個の枠に12個が埋まるんだね。まぁ、午後は昼食食べた後で眠くなっちゃうから座学に比べればいいとは思うけどね。
ちなみにボクは数学・物理・電気工学をそれぞれ初級・中級・上級に分けて教えている。それぞれ週2回だから18個だね。残り7個は資料作成とかで忙殺されているんだよ···。
そして、リオの最初の授業を行う日がやってきた!
当然、リオはこの日もお寝坊さんだったので、高速飛行でやってきた!初日からこれかよ···。
しかも昼休憩の時にやってきて、学食を5皿も食べた!うちは大皿1枚単位で課金されるバイキングスタイルだからね。皿に載せきれるまで同額だから、みんな工夫して盛り付けるんだよ。
3限開始直前まで食べてたけど、授業の準備は大丈夫なのかなぁ~?ちょっと心配になったから一応聞いとくけどね?
「リオ?初日なのに大丈夫なの?ものすごく余裕を見せつけてるけど···」
「おう!大丈夫だぞー!アキに最初に魔法を教えた通りにやるだけだからなー」
「そう?じゃあ、今日はボクも見学させてもらうね。次の枠は空いてるからね。そういえばリオの教え方って上手だけど、誰かに教え方を教えてもらったの?」
「おう!オレに魔法を教えてくれたヤツの教え方をそのままやってるだけだぞー。昔、異名を持つぐらいのすごいヤツだったらしいけどなー!」
「へぇ~!ボクも会ってみたいけど、だいぶ昔なんでしょ?」
「もう50年ぐらい前だからなー。もう死んでるかもしれないなー」
「そうかぁ~。でも、リオがこうやって講師として学生に教える立場になったって事は、その魔法のお師匠さんの技術をリオがちゃんと継承したって事だね!」
「えー?そうかー?たった1か月ぐらいしか教えてくれなかったぞー?『基礎はできたからあとは自分でやれよー!』って言って去ったからなー」
「そ、そうなんだ···。ということは、リオが魔法の理に至ったってことなのかなぁ~?」
「よくわからんけど、まー魔法の事はよく知ってるほうではあるからなー!おっ!?そろそろ行かないとまずいんじゃねー?」
「そうだね!じゃあ、魔法訓練場に行こうか!」
ボクとリオは学生食堂を出て魔法訓練場に向かうと···!観客席が全部埋まっていた!えっ!?これはどういう事なの!?
訓練場の入口には学園長がいた!
「学園長?いったいどうしたんですか?」
「いや、リオさんの初授業が気になったので見に来たんですよ。そうしたら抽選に漏れた生徒たちが『見学だけでもいいから見させてくれ!!』って言ってましてな···。授業がない学生たちが押し掛けたみたいなんですよ。人気高いですなぁ~!」
「そ、そうですか···。リオ?これは大変なことになりそうだね?」
「そうかー?まー、魔法は使えたら便利だからなー。見るだけでもいい勉強になるぞー」
というわけで、多数の観客が集中して見ている中、リオの授業は始まった。
「おう!じゃー、初級の授業を始めるぞー!自己紹介しておくぞー。白銀竜のリオだぞー。よろしくなー!」
「「「「よろしくお願いいたします!!!」」」」
「おう!みんな元気だなー!いい事だぞー。まずは全員の魔力量と出力を測定するからなー」
リオはボクにやったやり方をそのまま全員にやったんだ。やっぱりあんまり魔力量が多くないようで、できて中級クラスぐらいまでのようだね。でも、今からでも鍛えられるから、卒業するころにはかなり使えるようになってるんじゃないかな?
一人当たり1分程度で測定して、それぞれにアドバイスが2分。残りの時間で魔力循環を説明して今日の初授業は終了だ。90分なんてあっという間だったよ。
リオの的確なアドバイスは観客席の学生たちもメモしていた。リオに魔力を測定してもらってないから、果たしてそのアドバイスが自分に合ってるかはわからないけど、ある程度は参考になったはずだ。観客席の学生たちも非常に満足していたね!
10分の休憩後、次は中級クラスの授業だ。観客席の学生たちはトイレ休憩をした程度でまったく動かなかった!···もしかして、全部見る気か!?
「···学園長?学生たちに取ってる授業に戻るように促します?他の講師からクレームきそうなんですけど···」
「
「はぁ···。ボクは授業あるのでもう行きますね」
次の4限はボクの物理学の授業があるので、退席させてもらった。そしてボクの授業が行われる教室へ行くと···!
いつもの半分以下になっていた!!···まぁ、今日はいいか。ボクの授業もかなり余裕見てるから、今日は雑談とちょっとした小ネタ披露にしておこう。でないと、リオの授業を見に行った学生たちが次の授業で困るしね。
次の日も午後はリオの授業だ。今日もみんなリオの授業を見に行ってしまってる学生が多かった!職員室に戻ると···、恐れていた事が現実になっていた!
「はぁ~~···。今日もリオ先生の授業を半数以上が見に行ったよ···。オレの授業はダメなのかなぁ~?」
「うちもよ···。やっぱり魔法に興味ある子は多いからなぁ~。しかも講師は元
「皆さんもそうなんですね?ボクもそうですよ···」
「アキ先生も最初は似たようなものでしたよね?『外の理の者』の授業なんてうちだけですしね。それでも、一番大きな教室で入りきりましたけど、リオ先生は特殊すぎて人数制限が厳しいですからね···。アキ先生以上ですよ···」
あぁ~···。さすがにこれは学園が成り立たないぞ?どうしようかなぁ~?
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