神様の憂鬱-11 神を辞めたあとの収入源ゲットだぜ!
リオに男の娘を預けてみた。男の娘は元おっさんだったようなので、この時点で男の子になった!···姿はそのままだから、どう見ても女の子だけどな!
そして、男の子にはオレの幻影を見せておいた。神様っぽくしゃべったし、逆光演出で神々しくしてみたからかっこいいだろ?
意外とオレはノリノリで演じてたな〜!役者に向いてね?
ふむふむ、アキくんね。この子も結構なオタクのようだな?オレと話が合いそうだわ。
だが、思いのほか男の娘が気に食わないようだ。これは顔合わせしたら罵声浴びそうだなぁ~。
さて、どうやら旅立つまでに時間はあるようだから、今のうちにアキくんのスマホをエーレタニア仕様に変えてしまっておこう!
···オレってプログラマーじゃないんだけど、どうしたらいいんだ?
「ナビくん?スマホをエーレタニア仕様にしたいんだけど、ナビくんはいじれる?」
「できるよ〜!」
「よし!だったら···」
スマホは便利だからな!基本的には日本で使ってたアプリの一部を使えるようにしておいた。でも、アキくん自身にもアドインできるようにして好きな機能を組み込めるようにしておいてもらった。
機能拡張を魔法でも行えるようにしたスマホのOSの名前は『エンドロイド』にしておいた。エーレタニアの『エ』をつけたんだ。なかなかセンスあるだろ?
さて、世界も安定して特に見どころはないようだから、アキくんとリオの様子を見ていようか。
おっ!?リオがくしゃみして魔獣に発見されたわ!ははは!コントだなぁ〜!
次はアキくんが女の子に間違われまくってトラブってるなぁ~!女湯に堂々と乗り込んで固まってるぞ!
こりゃいいわ!久々にこんなに笑ったわ!ネタじゃなくて本人は至って普通に過ごしてるだけなのにな。トラブル!トラブルのオンパレードだよ!
何も呪いとかかけてないのになんでこんなに事件が起こるんだろうなぁ〜?仕込みなんて全くしてないからよくわからないわ!
あれ···?合体変身!?あんなのできるの!?初めて知ったわ〜。これも仕込んでないよ?どうなってるんだ?格好は着ぐるみでかわいいけどな。
「ナビくん?あの体って、特殊能力なんてつけてないよね?一応死んだら困るから『保険』かけといたけど···。
「強いて言えば神の力の核を仕込んでるぐらいだけどね?ちょっとした特殊能力を持ってる以外はなんの変哲もない、ただ魔力が多すぎる少年だけど?」
「神の力の核の副作用かな?」
「考えにくいけど、そうなのかもね〜。そもそも一般人に神の力の核を仕込むなんて前代未聞だしね~!」
う〜ん···。これは想定外だった。詳しく鑑定をされていたけど。
確かに蘇生する保険はかけた程度で、あとは魔力が多すぎる程度にしておいたのに、知らない間に特殊能力が勝手について
保険も『旅行保険』になってて、保険料かけたら復活し放題なんてチート能力に化けちゃってるし。
···あれ?この保険料ってオレの収入になるの?ってことは、アキくんが掛け始めたらオレ的には年金になるんじゃね?
まだ隠しスキル状態だから発現してないけど、早く発現して保険料払ってくれないかなぁ〜?そうしたら働かなくたっていいし、のんびり引きこもり生活できるじゃん!
「そうだ!そろそろ働かないといけないけど、いい案を思いついたぞ!」
「なになに!?案ってどんなの!?」
「吟遊詩人のジョブになったんだから、演劇の脚本を考えたらいいんだよ!上演して大ヒットしたら印税がガッポガッポだ!働かずに収入が入るぞ〜!」
「いいね〜!で?アテはあるの?」
「今さっきアイリが劇団の団長と面会していたからそれに便乗したらいいんだ。何かリオ関係だったようだから、ネタになる劇だろうな!」
「じゃあ、初の顕現だね!いってらっしゃ〜い!」
こうしてオレは初めてエーレタニアの大地に降り立った。なかなかいい世界じゃないか?創ったオレが言うのもなんだけどな。
そして劇団の団長がいる酒場へやって来た。ちょうど隣が空いてるな?ちょっと盗み聞きして、オレが脚本を書く提案をしてみるか!
「はぁ〜〜っ···。今上演している『大魔王ムーオ討伐活劇 〜英雄たちの軌跡〜』はアイリ様脚本で大好評なのはいいけど、新作はちょっとわけがわからないなぁ〜」
「『着ぐるみ着た
「いや、さすがにそれはアイリ様に申し訳ない。誰か脚本を書いてくれる人を探さないと···」
ほうほう?アキくんの変身した姿の物語か〜。なるほどね。これはアキくんの正体がバレないようにするための情報操作も兼ねているということか。
だったらオレが一肌脱いでやろうじゃないか!
「(ポロロ〜ン)お困りのようですな?よろしければ、私がそのお話を書いてみましょうか?」
「えっ!?し、失礼ですが、どちら様ですか?」
「これは失敬。私は旅の吟遊詩人をしている者です。名乗るほどのものではありませんが、各地の伝承を歌にしたり、物語として
「そうなのですか!?これは申し遅れました。私はツーデン劇団という劇団の代表であるタクトと申します。よろしければ助けていただけないでしょうか!?」
「いいですよ。私の本分ですのでね。報酬は出来高と、上演ごとに収益の一部を印税としていただければ」
「いいでしょう。では明日朝に脚本家を交えて執筆をお願いいたします!」
(ニヤリ!)計画通り!
翌日から脚本家からアイリが書いたシナリオを受取り、打ち合わせなしで引きこもって執筆した。
ちなみに作文は大の苦手だ!吟遊詩人スキルで自動執筆しているから楽なものだよ!
···コレ、本物の小説家に聞かれたらとんでもない罵声を浴びせられそうだなぁ〜。みんなには内緒だぞ!罵声は受け付けておりませんのでね。もう、罵声はトラウマになっちゃってるんで···。
「えっ!?もう書き上げたんですか!?」
「はい。こちらになりますが、いかがでしょう?」
「···すごい!こんなに緻密な描写が描かれてると、大道具も演者もやりやすいですよ!ありがとうございます!『たった半日』でここまでやっていただけて、感謝の極みです!」
「お役に立てて嬉しいですよ。では報酬はこの口座にお願いしますね?」
「ええ!大ヒットさせてたくさん振り込めるようにしますね!」
(ニヤリ!)計画通り!
「お帰り〜!エレくん、どうだった!?」
「収入源ひとつ、ゲットだぜ!」
「これでエレくんの計画がひとつ進んだね!」
「ああ!さて、アキくんの爆笑の旅の続きを覗くとするか」
コレクタでの騒動も切り抜けたね。ホント、アキくんはよく当たるなぁ~。
そして、食料調達か。困ってそうだから、オレからも支援してやろうかな?
おっ!?いいアイデアを思い浮かんだぞ!屋台やろう!やってみたかったんだよな~。
「ナビくん!ラーメン屋の屋台をGPでやるならいくら!?」
「3GPあればいけると思うよ?」
「それぐらいなら大丈夫だな!よし!おいしいラーメン屋を出して儲けるぞ~!」
「お〜!新たな収入の確保だね!?頑張って〜!」
そして、オレはコレクタの市場で誰もいない区画を『GP使って今日だけ乗っ取って』ラーメン屋台を開いた。
まぁ、見たことのない食事を出すんだ。みんな敬遠してるなぁ~。
その時!アキくんとリオがやって来た。予想通り、アキくんは釣れた。···計画通り!(ニヤリ!)
「麺だよ!おいしいから食べるよ。おじさん、2人分ちょうだい!」
「はいよ!2杯で1300ジールだね!」
「やっす!はい、これで!リオ、ここはボクが出すよ。いっぺん食べてごらんよ!」
「お、おう···。んぐ、んぐっ···!おおー!確かにうまいぞー!」
「でしょ!?味も良かったし、こんないい店見つけて良かったよー!」
おっ!?オレの味が気に入ったな?よしよし!そんな正直なアキくんにはスープを売っちゃえ~!
「そんなに気に入ったならちょっと持ち帰るか?スープは小樽程度でよければ売るぞ!」
「マジで!?おじさん、お願いします!」
喜んでもらえたようだな!オレ自身が一番!って味をGPで再現したからな。
アキくんたちが美味しそうに食べてくれたおかげで、その後は売れに売れまくった!
ははは!これもいい収入になりそうだ!現時点で収入は脚本の印税と、屋台収入、将来的にはアキくんからの『旅行保険』の保険料!収入3本柱は現代日本の老後に必要!って記事を見たことあるが、これでもう確保済みだ!
オレの引きこもり生活計画は順調だな!わっはっは!
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