神様の憂鬱-10 リオの面接とアキの体の創造

「エレくん!先日の侵入者たちが動き出したよ~!あいつら、魔獣を従えて襲い始めたよ~!」


「そう来たか!自分の世界じゃなくて、現地調達って事か。まるっきりスニーキングミッションだなぁ〜」


整調者ピースメーカーを招集する?」


「そうだな。最大人数の5人でいくか!」


「あいあいさー!今回はあの世からの推薦でいい候補がいたよ~!」


「じゃあ、まずはそいつから面接しよう!他の候補はナビくんが選んで」



 ということで、まずは初の『あの世からの推薦』だ。···『リオ』というドラゴン族か。


 どんなヤツかな〜?それではおいでませ~!



「リオくん···。リオくん。起きてくださいな」

 

「ん~~···。あと5時間〜···。ムニャムニャ···」

 

「···おい、寝すぎだろ?起きんかーい!!」

 

「うわぁー!?な、何するだぁー!?」

 

「ふぅ~、やっとこさ起きたな。これで面接ができるな」

 

「···えっ?ここはどこだー!?お前は誰だーー!?」

 

 

 ···なんだかバカっぽいなぁ~。大丈夫か?まぁ、いいか。

 

 

「ここは私のゲーム部屋・・・・・···、じゃなかった!神の執務ゲーム室だ!私は神だよ。ちょっとお願いがあってキミを呼んだんだけど、時間あるかな?」

 

「時間あるも何も、どういう事だー!?しかも!どうやって帰れるんだー!?」

 

「それについては心配ないよ。面接が終わったらちゃんとキミの家のベッドに送るからさ!」

 

「それだと面接終わらないと帰れないって事だろー!?いや、これは拉致・・だぞー!!誘拐だぞー!?」

 

「あぁ~、そうとも言うね。···某旅芸人さんと同じ事言うなんて、キミは賢いなぁ~!ははは!」

 

「ははは!じゃねーー!いったいオレに何の用だー!?」

 

「用って、面接だよ?」

 

「だから、何の面接だー!?」

 

「次の整調者ピースメーカーの適合者の面接だよ」

 

「···はあっ!?整調者ピースメーカーだってー!?」

 

「そうだよ~。じゃあ、面接を始めるね~」

 

「お、おう。なんだかよくわからんが、答えないと帰れそうにないからなー。さっさと始めてくれー」



 ははは!こいつは面白いな!おちょくりがいがある、いいおもちゃを見つけた気分だ。推薦もなかなかいいなぁ~。


 無事面接を終えて採用したぞ。他の4人はナビくんがスカウトしてきてくれて、面接もスムーズにいった。


 今までで1番良かったなぁ〜!これは期待できるんじゃないかな?



 まさに期待どおりの活躍をしてくれた!特に王都攻防は凄まじい戦いになった。


 あれだけの大軍をたった5人で殲滅しちゃえるとは思わなかったんだよなぁ~。アカン!これはオワタなぁ~って思ったもん。


 やはりヤツらの狙いは龍脈か?ちょうど王都付近に特異点があったからな。


 しっかしわからん!ヤツら、何が目当てなのかが未だに判明しない。魔獣の大軍は今回で壊滅したから、手駒はほとんどないはず。


 そう思ってると···



「エレくん!空中庭園が乗っ取られちゃった!」


「···は?···乗っ取られた?」


「ムーオが乗っ取っちゃったよ~!全部セキュリティ突破されちゃった!どうしよう~!?ボクのおもちゃ・・・・が〜!」


「お、落ち着け!制御権を取り戻せないのか!?」


「ダメだよ~!こっちの操作を受け付けないよ〜!」


「なら、自爆ボタンだ!アレを敵に渡すわけにはいかん!ナビくん!やるぞ!!」


「え〜〜!?う〜〜ん、仕方ないね。じゃあ、いくよ!せーの!!」



 ポチッとな!!


 ···しかし なにも おこらなかった!



「エレく〜ん!?これはマズいよ〜!?」


「落ち着け!ナビくん!整調者ピースメーカーに破壊指令を出すよ!彼らならやってくれるはずだ!あわよくばムーオを倒してくれるはずだ!」



 オレは彼らに空中庭園を取り返すか破壊するように伝えた。


 そして···



 ムーオとリオ渾身の魔力砲がぶつかり、空中で大爆発した瞬間!管理用モニターに警告が出た!



「エレくん!?大変だよ~!さっきの爆発が、エレくんの世界の人を巻き込んじゃったよ〜!」


「···は?···えっ!?なんでぇ~!?」


「爆発エネルギーがたまたまあった空間の小さな裂け目に入っちゃって迷走しちゃったっぽいね~。

 あ〜、どうも亡くなっちゃったみたいだね。魂がこの世界に引き込まれちゃったけど、どうしよう~!?地球の神様に怒られちゃうよ~!?」


「ど、どうしたらいい!?」


「エーレタニアに住んでもらうしかないよ~!うちの世界が責任とらないと、地球の神様が納得しないよ!?」


「じゃあ、体創って神器渡そう!それなら生活できるでしょ!」


「それでいこうか!じゃあ、体を創って!」



 ···あ〜、あんまりGP使いたくなかったんだけど、仕方ないなぁ。え〜っと?どうしよう?


 ちょっとケチって子どもの体にしちゃえ!長く生きれるしな。


 それと···、どんな人かわからんから男か女どっちでもいけるように『男の娘』にしとけ!


 あとは···、これは賭けだけどやってみる価値はありそうだ。



「ナビくん?オレの『神の力の核』をこの創った体に仕込んでも、オレは力を使える?」


「えっ!?見ず知らずの人の体に核を仕込むの!?使えなくはないけど···。なんで?」


「いや、オレがエーレタニアに顕現して襲われたら終了じゃん?だったら見ず知らずの人に核を仕込んでおけば襲われても平気だろ?」


「確かにそうだけど···」


「それに、この人には神器をあげるから、そう簡単に死なないでしょ?『木を隠すなら森』ってね!いいアイデアでしょ?」


「わかったよ。ただ、神の力の核を宿した人間なんて、これまで他の世界でもいなかったから、何が起こるかわからないよ?神なら問題ないけど···」


「その時はその時さ。オレも顕現してサポートするからさ」


「じゃあ、エレくんの核をこの体に···。移植完了だよ!」


「あとは神器だな!無限収納カバンと魔力剣と···、現代日本から来たんだったらスマホも神器化しとくか!現代版魔法のステッキみたいなものだしな!」


「エレく〜ん!神器渡したよ~!」


「よ〜し!ちょうどさっきの場所にリオがいたな!リオに預ければなんとかしてくれるだろ。多少のトラブルでも、アイツならなんとかするだろうしな!」



 そうして空中に放りだした!···ちょっと乱暴だったかな?この間、10秒弱。可能な限り時を遅くして熟考したからな。



 そして時は動き出す···。

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