神様の憂鬱-07 整調者(ピースメーカー)制度誕生
「エレくん?最近、ドラゴン族でも
「えっ?そんなのがいるの?神狼族もいるのに?」
「まぁ、彼らは集落の周辺の警戒がメインになってきたからね~。集落って魔獣が発生しやすいポイントばかりだから、簡単に離れられないしね~」
「となると、遊撃できる人が必要って事か。でも、そんな種族を創るGPもないしなぁ~。代行者っぽい事をやってくれる人っていないかなぁ~?」
「だったら神の力を授ける?」
「そんな事できるのか?」
「できるよ~!新たに種族を創造するよりも遥かに少ないGPでできるよ~!」
「そうだな。オレが出ていっても戦いなんてからっきしだからなぁ~。代わりにやってくれるならそれに越したことはないか!よし!そういう制度を作るぞ~!」
というわけで、オレの代わりに地上での仕事してくれる制度を創ることにした。
でも、神の力を授けてもそれでオレが狙われたらヤダなぁ~。この世界の住人って、神様をあんまり信仰してくれてないしな。
一応教会はあるんだけど、オレの熱心な信者ってほとんどいないんだよなぁ〜。どれぐらいかって言うと現代日本と同じぐらいだな。
さて、代行者か···。名前がちょっとセンスないよなぁ~。もっとカッコいいのがいいな。『平和を守る』···、安直だし、敵味方なんて情勢次第だから、どっちの立場の平和か分かりにくいか。
まぁ、世界の調和を乱す存在を倒すって方がいいかな?『調子を整える』···。うん。いいんじゃない?
『整調者』!オレのイメージにピッタリだな。善も悪もない。世界のバランスブレイカーを倒すって事で!ちなみに英語だと···、おっ!?『ペースメーカー』か。でも、ネイティブな発音だと『ピース』なんだなぁ~。
よし!別名は『ピースメーカー』だ!カタカナ表記だと『平和を作る』って意味にも取れるな!
さて、次に力を授ける事だけど、授けっぱなしだと、とんでもない人たちが増えてしまいそうだな~。だったら『貸与』して、任務完了時に『返却』してもらって、そのうちの一部を褒賞で与えるってのはどうだろう?
これなら多少強い程度で済むから、世界が混乱することはないだろう。よし!なかなかいいんじゃないかな?
「ナビくん。制度が決まったぞ!」
「お〜!いいんじゃない!?でも、一度の最大人数は5人が限界だよ?」
「5人も超人がいれば十分だろ。よし!これでいこう!ナビくん、神託でお知らせして募集しよう!今回は3人で!」
「あいあいさー!今回も面接をしっかりやるんだよ~!」
「···あ〜、それがあったなぁ~」
応募は殺到した!教会に窓口になってもらい、『文字が書ける人限定!』ってしておいて、履歴書を協会は受け取るだけにしておけば迷惑にならんだろう。
神の像···、ってなんだかオレが美化されてるけど、像の前に紙を置いたら転送される仕組みだ。
それを利用して履歴書と一緒に貢物を送ってくれた教会がそこそこあった。
···ありがとう!なんだか初めて神になって感謝されたなぁ~!優遇とかはできないけどな。よ〜し!神様頑張っちゃうぞー!
履歴書は500通ぐらい来たな。さて···、とりあえずある程度実力がない者は除外だ。力や名声が目当てってのも除外。あんまり正義感あふれるのも除外だ。自分の価値観でしかものさしがないから、オレの指示を反故にしかねないからな。
···あんまり言いたくないが『言いなりになる部下』がいいんだよなぁ~。ある意味『神の業務委託』だからな。···ブラックにしないよう注意しないといけないな。
そんなオレの基準をクリアしたのが5人いた!そして面接して3人を採用したぞ!
今回、残念ながら落選した人も良かったので、補欠枠だ。もしくは次回募集かけたら優先枠だな。
思ってた以上にこの制度は成果を挙げた!
人々も
ただ、任命中は時を加速できない。したらあっという間に100年過ぎちゃって放置プレイになっちゃうからな。
初代は輝かしい成績を残してくれた。続いて2代目を募集した際は、世界が安定していたので2名体制にした。
ただ、前回から40年経っちゃってたから、補欠枠の人は無理だったので、お子さんをスカウトしたら、快く受けてくれた。
これだよ!面接で初めて満足できたな!
オレの予想通り、元
あとは
もちろん、次代の
でも、確かに老後はよりどりみどりだもんなぁ〜。やりたいのが多いのはわかるわ。結構過酷なんだけどなぁ~。
だから、任命者から3代先までは対象外にしておいた。これでバカな考えは抱かんだろう。3代先の時点でそいつは寿命を迎えてるし。
命を落としてしまった者もいた。遺族には手厚い加護をかけてあげたりして、神としての補償はしたぞ。
ある程度軌道修正はしたが、世界はさらに安定して、文明の発達が加速し始めた。
魔道具も出てきたし、国家の体制も安定してきた。このまま進めば、オレの世界は完成に至る。
神の手を離れる世界か···。なんか、このエーレタニアが子どものように思えてきたなぁ~。ものすごく手のかかるじゃじゃ馬だったけどな!
こうして自分がやってきた事をしみじみと思い出していると、とんでもない事件が起こってしまったんだ···。
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