神様の憂鬱-05 神狼族誕生!そして別世界からの侵略

 地上に戦争が起こりました。


 神であるオレはなんとかしようと、GP使って雨を降らせて火災を鎮火しようとしたら大洪水になり、GP使って晴れにしたら砂漠化しちゃって滅亡の危機になってしまいました···。


 ···あんまり神の力で直接介入したらアカンわ!



 結局、ノアの方舟代わりに浮遊大陸を創って避難させたものの、環境が良すぎて地上に降りたくないって拒否されてしまいました···。


 たくさんの罵声を浴びて、泣きました···。



 悪いのは魔獣だ!汚物は消毒だーー!!というわけで、討伐する人を創っちゃえ!


 まずはドラゴンだ!オレが創った生物で最強だ!コイツらに魔獣退治専門になってもらおう!せっかくなのでもっといろんな種類のドラゴンを創ろう!


 最初に創った金以外だと白銀・青・赤・緑・黒・黄かな?もちろん、人型にもなれるぞ!


 あとは獣人だな!人でムキムキのマッチョみたいに強すぎるのはちょっとオレ自身が嫌だから、獣人だ!強い獣人って、カッコイイよな!


 さて、残りGPが50しかない···。


 調子こいて多くのドラゴン族を創っちゃったからなぁ~。これだけだと全部使っても1人しか創れんなぁ~。1代限りになっちゃうなぁ〜。


 ···そうだ!お子さんは強制的にこの種族にすればいい!さらにはお子さんは他の種族の力も取り込んじゃえばドンドン強くなるな!お〜!いいアイデアだ!チート性能を持った種族がいてもいいよな~!


 さて、何の獣人にしようかな?やっぱ狩りが得意な動物がいいよな!


 となると···、狩りの成功率が極端に高いのは確か『リカオン』だったかな?某アニメでもハンターだったよな?


 よし!それでいいや!注文オーダーはちょっとキツイけどな!



 そして、やる事をナビくんに伝え、オレはソファに座りながら組んだ手の上に顎を乗せた状態でかっこつけながらこう言った。



「ナビくん、やってしまいなさい」


「あいあいさー!」



 もともと創っていたドラゴン族は強化され、魔獣退治をこよなく楽しむようになった。


 新たに創った『神狼族』はGPが足りなくて小柄な男の子になってしまったが、見た目に騙されてはいけない!とんでもないスピードとパワーを持ってるし、固有能力と変身能力も持たせているからな!



 さて、結果は···?


 お〜!?魔獣がドンドン間引かれてるなぁ~!さすがはオレが創った戦闘種族だ!某ゲームで武将がやってるような無双状態だぞ!?圧倒的じゃないか!我が軍は!!



 ははは!見ろぉ!魔獣がゴミのようだ!!



 某大佐の気持ちがよくわかった瞬間だったな!あぁ~、超気持ちいい!スカっとするわぁ〜。コイツらのせいで地上が荒れたからなぁ〜。


 ···えっ?荒れたのはお前のせいだろ!?だって?···罵声の受け付けはすでに締切しております。怖かったんで···。アーアー、キコエナイ!


 とりあえず、ある程度地上に平和が訪れたので、改めて神託で地上に降りるように伝えたら、渋々・・降りてくれる人がいたんだよ!ありがたいね。土下座して感謝したい!


 ···あれ?オレって神様だよな?なんだか全然偉くないなぁ~。


 魔獣の危険性が下がった事で、地上は再び発展を始めた。今度は魔獣という脅威がそこそこあるために他種族とも協力して自衛を考えるようになり、戦争を始めるような事はほとんどなかった。


 多少はあったけどな。それは許容範囲だろう。


 う〜ん···。ある意味魔獣のおかげで平和になってるんだよなぁ~。ちょっとだけ複雑な気分だ。


 余裕が出てしまうと欲が出るんだろうなぁ~。逆に困窮しても争っちゃうんだよなぁ~。


 このあたりのバランスって難しいわ。ちなみにちょいちょい入るGPは1ずつ使ってバランスを取るように、細心の注意を払って使っている。


 これだけトラブルが起こると慣れてくるもんだ。なくなりかけたGPも、世界が発展したことで2000近く貯まってきた。


 ···しかし、平和はそう長く続かなかった。



「ヒャッハー!!ここは良い世界だ!ここはオレらのものだぁーー!!」


以前侵攻された・・・・・・・恨みを晴らすぞー!焼き払えーー!!」



 なんと!別世界から侵攻されてしまった!?



「エレくん!?どうしよう~!?」


「落ち着け!ナビくん。相手はどこの神の世界だ!?」


「この世界を放棄して乗っ取っちゃった世界だね!う〜ん、逆襲かな?」


「なん、だと···!?」


「どうも乗っ取ったのはいいけど、向こうの勇者っぽい人にバラバラにされちゃったみたいだね!で、今度はこっちに仕返しに来たんだよ!」


「···おいおい、それって某RPGでチェーンソーで倒したのと同じじゃないか!?話せばわかってくれるかなぁ~?」


「ムリダナ!神託はエレくんの世界の住人しか聞こえないからね」


「え〜〜!?じゃあ、武力衝突は避けられないかぁ~。でも、明らかにうちの生物より強そうだよな?武器もそうだけど···」


「···エレくんには黙ってたけど、『こんな事もあろうか』と思ってこっそり用意していたアレを使う時が来ちゃったかなぁ~?」


「えっ!?なにそれ?めっさ気になるぅ~!」


「ふっふっふ〜!では見ていただこう!これだぁ~~!」



 『バァァーーーン』っていう、某多魔川に近い聖蹟桜ヶ丘っぽい街角のアニメで高級牛肉が登場した時のような効果音とともにディスプレイにデカデカと表示されたそれは···!


 これまた某アニメ映画で有名な空飛ぶ決戦兵器だった!



「ナビくん···。これは?」


「エレくんがコツコツ貯めたGPの利息・・をヘソクリしてボクが作った『空中庭園』だよ~!」


「いつの間にこんなロマンあふれる兵器を作ってたんだよ!?」


「浮遊大陸作った時だね!ちょいちょいGP使って改造してたけどね。ビックリさせるために『庭園』に偽装していたから気づかれてなくて良かったよ〜!」


「そ、そうか···。ヘソクリされてるなんて知らなかったから言いたいことがあるけど、それは後だ!神託を下して空中庭園に乗ってくれる人を募集するんだ!」


「あいあいさー!面接はエレくんにお願いね!」


「···えっ?面接するの?···オレが?」


「当たり前じゃん!『神の兵器を使う』んだよ?信用できる人じゃないと、それこそ世界が破滅しちゃうぞ〜!?」


「そんな悠長な事を言ってる場合じゃないんだけどなぁ~。よし!来たらすぐに面接して送り出すぞ!」



 ···神様も楽じゃないわぁ~。

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