神様の憂鬱-04 トラブルシューティング!
神様らしく世界を創造したオレ。GP大盤振る舞いしたせいか、一気に世界は発展して農耕文明が始まっていた。まだまだ原始的ではあるが、着実に発展している事に感動していた。
ふぅ~、少し疲れたなぁ~。
そういえば立派なソファに冷蔵庫もあるんだった。ひと休憩するかぁ~!
冷蔵庫を開けると、そこにはオレの大好物だったジュースがあったんだよ!これって生産終了してもう2度と飲めない···、って落ち込んだんだよなぁ〜。
これも神様になったから好き放題って事?そういえば腹が減らないけど···。
「ナビくん?オレって食事は必要なの?」
「必要と思えば必要だし、不要なら飲まず食わずでも大丈夫!好きに過ごしてね~!」
「ちなみに睡眠もか?」
「そうだよ〜!栄養ドリンク飲まなくても24時間平気に戦えるよ~!」
「うわぁ~···。神様ってブラックだったんだなぁ~」
「考え方次第だけどなぁ~?通勤時間0だし、食事作らなくてもいいし、寝る必要もないし、世界に
「問題起きたら大変かぁ〜。今のところは順調だから、ちょっと横になるわ。何かあったら起こしてくれ」
「あいあいさー!」
せっかく最高のベッドがあるんだから横になって寝よう!あぁ~、最高だわ~!おやすみ〜。
「エレく〜ん!起きて〜!トラブル発生だよ~!」
「う〜〜ん···。えっ···?トラブル···?」
「そうそう!戦争が始まっちゃったよ~!」
「···は?戦争!?」
オレはガバッっと起きて、管理用PCのモニターを見た!
すると、集落同士が戦い合っていた!魔法が使える世界だからドンパチも過激だ!
至る所で爆発が起きて、せっかくできた畑が潰されていく···。
戦争なんて、テレビでしか見れないし、あとはアニメやゲームだけしか知らない。
今、目の前にあるのは現実の戦いだ。思いっきりグロい!見ていて吐きそうになるが、残念ながら神は食事不要だから吐くこともできない。
どうして···、どうしてこんな事に···。
「ナビくん···。戦争になった原因は···?」
「異常気象で作物が取れなくって、奪い合いになっちゃったみたいだね。こればっかりはどうにもならないよ」
「そうか···。なんとか収めたいんだけどなぁ~」
「じゃあ、異常気象にも強い品種の作物を創造するかい?」
「そうだな···。ただ、この争いが起きてる地方は避けよう。ここで創造しても、育てずに食われておしまいだ」
「それって見捨てるようなものだけど、いいの?」
「···断腸の思いだよ。せめて
「わかった。じゃあ、雨も降らすね~」
オレはできる限りいい判断をしたと思う。最良ではないが、最善は尽くした。
しかし、その判断っていうのは
ナビくんが雨を降らし始めると···!すぐに大洪水になった!?
「ちょっと!?ナビくん!雨を降らしてって言ったけど、大洪水になっちゃってるじゃないか!?」
「えっ!?神の力で雨を降らしたんだから当然じゃない?すべて
「強すぎるわ!すぐに晴れにして!!」
「はーい!」
すると、今度は雨が降らずに森が枯れ果ててしまった!
「ナビくん!?やり過ぎ!砂漠化してるぞ!?」
「だって、神の力で晴れにしてるんだからこうなるに決まってるじゃない?」
「···要するにGP使う現象は極端すぎるって事か。うわぁ~···。せっかく苦労して作った文明が崩壊しちゃったわぁ〜」
「このままだと世界が崩壊しちゃうね。GP使うにしても、最初のように大盤振る舞いはできないよ?」
「とりあえず、世界全体はムリダナ!···よし!ノアの方舟作戦だ!」
「おっ!?面白そうだね~!どうするの?」
「浮遊大陸を作る!そこに善良な市民を拾い上げて、地上がある程度元に戻るまで避難してもらおう!」
「おぉ〜!いいね~!じゃあ、GPが残り13しか残らないけど、始めるね~!」
こうしてオレは神託をナビくんにお願いして全世界に通達し、多数のピックアップポイントで拾い上げた。
浮遊大陸はGPの関係から、沖縄本島ぐらいの大きさが限界だった。それでも5000人ぐらいしか拾えなかったから、まぁいいだろ。
ここなら異常気象は関係ない。ここでゆっくりと育ってもらって、地上が良くなれば戻ってもらえればいい。
GPが残りわずかとなってしまったので、地上の復興は時間が非常にかかった。
その間、地上には先の戦争で異世界から召喚されてしまった『魔獣』と呼ばれる生物が
コイツらは生命力と繁殖力が強いので、今のうちの生き物だと魔法を使わないと厳しいなぁ~。
どうにかしたいんだけど、GPがない以上手出しができない。···悔しいなぁ~。
100年後···
地上は緑豊かな土地に戻っていた。100年間見てたわけじゃないよ?時を加速させたけどな。
これで地上に降りて農業再開してもらおう!
そう思って神託を出したら、思いも寄らない回答が返ってきた!
『はぁ?なんでいまさら戻らなきゃならねえの?ここの生活に満足してるんだけど?』
『どういう特典があるんだ?何もナシに凶暴な生物がいるところに放り込まれるなんてゴメンだね!』
『あんた、バカァ?それって、わざわざ死にに行くのと一緒じゃね?頼むならそれ相応の見返りってもんが必要だろ?常識ねぇなぁ~!神だからか!?』
オレ、神様なのに辛辣な返答に思わず泣いてしまった···。
確かにおっしゃる通りですわ。オレだったらヤダわ。
···どうすっかなぁ〜?
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