神様の憂鬱-03 エーレタニアの創造

「そういえばナビくん。神様の仕事のルールはあるのか?」


「基本的には『オレがルールだ!』だね!なにしろ神だからね!GPが多いとやれることの規模も大きくなるしね!」


「何でもありかよ···。だから他人の創った世界に侵略や乗っ取りも合法なのか。殺伐としてんなぁ~」


「そうならないように創るのがコツだね!確か地球のゲームや歴史でもそうだったんじゃない?」


「まぁな~。合従連衡がっしょうれんこうとか戦国時代だと逸話は残ってるな。···あれ?侵略できるって事は、乗っ取られた神はどうなるんだ?」


「『神の力の核』を奪われて、その世界の龍脈と呼ばれるエネルギーを乗っ取った時点でその世界の普通の人に堕ちちゃうんだ。『ワールド・エクリプス』って言うんだけどね」


「そうなのか···。発展してなかったら確実に死ぬな。それと、世界に神様は一人だけなのか?」


「そんなルールはないよ。役割分担して共同で発展させてる世界もあるね~!ただ、あんまりうまくいってないところがほとんどかな~?自分勝手なルールがまかり通っちゃってるし、みんな自己中だしね~」


「なるほどね。ちなみに他の世界を覗くだけってのはできるか?」


「その世界の神の了承を得れたらね~!」


「まぁ、質問は今のところこんなもんかな?じゃあ!そろそろ始めるか!」


「おー!良い世界にしようね~!」



 まずはチュートリアルから···、ではないようだ。いきなり本番だぞ!?


 ということは、慣れてない最初に派手にGP使っちゃうと取り返しがきかんな。でも、『オレがルールだ!』なら時間遡ってやり直せばいいんじゃね?よし!ちょっと大盤振る舞いで気軽にやってみるか!



 居抜き物件(世界)だから、基本的な設定は不要だ。魔法もある世界だけど、ちょっとオレ好みの設定にしておこう!イメージが大事だ!的ね。カスタマイズできるのは面白いからな。



 次に、オレはこの世界の生き物を創る事にした。まぁ、とりあえずは進化なんてややこしいから今は関係ないね。Bボタン連打したくないし。


 混血も種族管理がめんどくさいなぁ~。よし!異種族でも、好きな者同士自由に恋愛してもらって、お子さんは両親どっちかの種族になるようにしておこう! 


 まずはヒトだな!それと獣人、ドラゴンもいいなぁ~!金がカッコ良さそうだぜ!


 いろんな種類の動物の獣人がいいね!みんな仲良くフレンズになって、たーのしー!世界になってほしいものだ。


 ドラゴンも人型になれると面白そうだな!やってたゲームにそんなのもあったしなぁ~。


 ···よし!最初はこんなところかな?もうGPが残り100切っちゃったけど、これだけ多種多様な生き物を創造したんだ。良い発展になって欲しいなぁ~。



「エレくん!?スゴイじゃない!いきなり最初にこんな設定するなんて、やった神はいないよ!?」


「まぁ、これぐらいはシ◯ア◯スやC◯Vとかやり込んでたからな。それなりに発展させたんだぜ?進化はしないけど、それなりに工夫した発展はしてくれるだろうなぁ~」


「やっぱり神の素質があったね~!さあ、時を加速させて結果をみようか!いい感じになってると思うよ~!」


「そんな事もできるのか!?」


「神なんだし、『オレがルールだ!』状態だから時間だって意のままだよ~。ただ、遡れないけどね~」


「タイムトラベルはムリかぁ~。憧れだったんだけどなぁ~。···あれ?···って事は、リセットできない?」


「できないよ?当たり前じゃん!やり直しができるなら、誰も投げ出さないって!」



 ···ヤバい。調子乗りすぎた!『オレがルールだ!』状態でも『リセットもいける!』ってのはダメだと!?思いっきりGP使い込んじまったぞ!?リセマラも不可か!?


 あぁ~、もうどうにもならんか···。あとは運に任せるか···。神頼み・・・ったってオレが神だし···。


「じゃあ、エレくん!時を500年ぐらい加速させるね!」



 タバコを吸いながら、某新幹線の英語のアナウンスの人の歌を聞いてるかような、某ゲームのように画面で見てる景色が早送りになって、ものすごい勢いで変化していった!これはすごいわ。ゲームのCGでは絶対に表現できない、リアル感満載だわ!まぁ、リアルに動いてるんだけどな。



「···そして時は(普通に)動き出す」



 時を操ってるから、ちょっと言ってみたくなった。あっという間に500年の時が過ぎたな。体感5分ぐらいか?


 モニターを見ると至る所に集落が出来ており、集落同士をつなぐ道も出来上がっていた。畑などの農地も場所によっては存在した。もう農耕が始まってるのかぁ~。一気に発展したなぁ~。


 その時だった。管理用PCにテテーン!って昔の某OSのシャットダウンの時のような通知音が来た。なになに···



『おめでとうございます!農耕文明が発生しました!記念として500GPが贈呈されます!』



「エレくん!?もうボーナス出ちゃったよ!スゴイじゃないか!?」


「そうなのか?よくわからんけど」


「ある程度発展するごとにボーナスが出るんだ。なかなかできないんだよ〜。ボクの見る目は正しかったなぁ~!」


「そう言ってもらえるとやりがいあるな!じゃあ、これからも頑張るぞ~!」



 出だしは順調だ!ただ、のんびり世界が発展する様を視ることができたのはここまでだったんだ···。

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