第7章: 関係の深まり

 夏の訪れと共に、久美子と舞の関係は親密さを増していった。梅雨明けの清々しい朝、二人は美術館への小旅行を計画した。美術館は都心から少し離れた静かな丘の上にあり、周囲には緑豊かな公園が広がっていた。


 美術館に向かう道中、舗道の両側には百日紅の並木が続いていた。鮮やかなピンクの花が満開で、その色彩が夏の青空に映えていた。久美子と舞は肩を寄せ合いながら、ゆっくりと坂道を登っていく。


「先生、あの花、きれいですね」


 舞が指さす方向を見ると、道端に可憐な野花が咲いていた。


「ああ、オオキンケイギク。外来種だけど、この時期によく見かけるわね」


 久美子は優しく微笑んだ。舞の純粋な好奇心に、彼女は心を動かされていた。


 美術館の中は、静寂に包まれていた。二人は現代アート展を巡りながら、時折小声で感想を述べ合う。抽象的な作品の前で立ち止まった時、舞が久美子の手を取った。


「先生、この絵、何を表現しているんでしょうか?」


「そうねぇ……人それぞれの解釈があると思うわ。私には、混沌の中から生まれる秩序のように見えるけど」


 舞は久美子の言葉に深く頷いた。


「私たちの関係みたいですね」


 その言葉に、久美子は思わず微笑んだ。確かに、二人の関係は混沌としたものから始まり、今では互いを理解し合える関係になっていた。


 夜には、二人で郊外の小高い丘に出かけた。満天の星空が広がる中、久美子と舞は肩を寄せ合って座り、語り合った。夏の夜風が二人の髪をそよがせる。


「舞、あの星座が見えるかしら? 夏の大三角形よ」


 久美子が空を指さすと、舞は目を凝らして見上げた。


「わかりました! きれいですね」


 星空の下で、二人は未来の夢、過去の苦しみ、そして今の幸せについて語り合った。言葉が尽きることはなかった。


 しかし、その幸せとは裏腹に、大学内では二人の関係を疑問視する声が上がり始めていた。廊下で耳にする噂話、教授会での冷ややかな視線。久美子はそれらを無視しようとしたが、完全に気にしないわけにはいかなかった。


 ある夕暮れ時、研究室で二人きりになった時、舞が切り出した。


「先生、私たちのことを隠す必要はないと思うんです」


 舞の瞳には決意が宿っていた。久美子は複雑な表情を浮かべる。年齢差や立場の違いが、二人の間に微妙な溝を作り始めていた。


「舞……そうね。でも、簡単にはいかないわ」


 久美子は窓の外を見やった。夕焼けに染まる空が、彼女の心の揺れを映しているかのようだった。



 その夜、二人は都内のあるホテルに宿をとった。久美子は舞を抱きしめながら囁いた。


「あなたとの時間は大切だけど、私たちの関係が周りにどう映るか、考えずにはいられないの」


 舞はその言葉に、静かに頷いた。二人の間に沈黙が流れる。しかし、その沈黙は言葉以上に多くのことを語っているようだった。


 久美子と舞の間にわずかな静かな緊張が走る。窓の外では、都会の夜景が煌めき、その光が二人の姿を柔らかく照らしている。


 久美子は舞の顔を見つめる。舞の瞳には期待と不安が混ざり合い、その輝きに久美子は心を奪われる。舞の頬は薔薇色に染まり、唇が微かに開いている。久美子は思わず息を呑む。


 舞は久美子の姿に見惚れる。月明かりに照らされた久美子の肌は磁器のように白く、その曲線に舞の目が吸い寄せられる。久美子の髪が肩に優雅に垂れ、その艶やかさに舞は指を伸ばしたくなる。


 二人の間の距離が徐々に縮まる。久美子は舞の香りを感じ取る。清潔な石鹸の香りに、舞特有の甘い香りが混ざっている。その香りに、久美子は陶酔する。


 舞は久美子の吐息を感じる。温かく、甘い香りがする。その感触に、舞の全身に小さな電流が走る。


 久美子の指が舞の頬に触れる。その感触は柔らかく、温かい。舞は思わず目を閉じ、その感触に身を委ねる。


 舞の手が久美子の腰に回る。その感触に、久美子は小さく息を呑む。二人の体が寄り添い、互いの鼓動が伝わる。


 唇が重なる。最初は優しく、そして次第に激しさを増していく。久美子は舞の唇の柔らかさを感じ、その味わいに酔いしれる。甘く、そして少し塩味がする。


 舞は久美子の舌の動きに身を任せる。その感触に、舞の全身が熱を帯びていく。


 二人の吐息が混ざり合い、部屋に甘美な音が響く。窓の外の街の喧騒は、二人の世界には届かない。


 久美子の手が舞の背中を撫で下ろす。その感触に、舞は背筋を伸ばし、思わず小さな声を漏らす。その声が久美子の耳に届き、さらなる情熱を掻き立てる。


 舞の指が久美子の髪に絡む。その感触は絹のように滑らか。舞はその感触を確かめるように、何度も指を通す。


 久美子と舞の体が重なり合い、互いの温もりを確かめ合う。肌と肌が触れ合う度に、電気が走るような快感が全身を駆け巡る。


 久美子は舞の肌の滑らかさを指先で感じ取る。舞の体温が久美子の掌を通して全身に広がっていく。舞の肌は絹のように滑らかで、その感触に久美子は陶酔する。


 舞は久美子の体の曲線を目で追う。月明かりに照らされた久美子の肌は真珠のように輝いている。舞は思わず息を呑み、その美しさに見惚れる。


 久美子の唇が舞の首筋に触れる。舞の肌の香りが久美子の鼻腔をくすぐる。清潔な石鹸の香りに、舞特有の甘い香りが混ざっている。久美子はその香りを深く吸い込み、舞の存在を全身で感じ取る。


 舞は久美子の髪に指を絡める。久美子の髪は絹のように滑らかで、その感触に舞は心地よさを覚える。久美子の吐息が舞の耳に届き、その温かさが舞の全身を包み込む。


 二人の唇が重なる。最初は優しく、そして次第に激しさを増していく。久美子は舞の唇の柔らかさを感じ、その味わいを堪能する。舞の唇は甘く、僅かに塩味がする。


 舞は久美子の舌の動きに身を委ねる。その感触に、舞の全身が熱を帯びていく。久美子の唇の動きが舞の口内を探索し、舞は思わず小さな声を漏らす。


 久美子の手が舞の背中を撫で下ろす。その感触に、舞は背筋を伸ばし、全身に鳥肌が立つ。舞の反応を感じ取った久美子は、さらに情熱的に舞の体を愛撫する。


 舞の指が久美子の胸元に触れる。その感触に、久美子は小さく息を呑む。舞の指の動きに導かれるように、久美子の体が反応していく。


 二人の吐息が混ざり合い、部屋に甘美な音が響く。窓の外の街の喧騒は、二人の世界からは遠く離れている。


 久美子と舞の体が完全に同調し、一つのリズムを刻み始める。その動きに合わせて、ベッドが軋む音が静かに響く。


 舞の指が久美子の最も敏感な部分に触れる。久美子は思わず甘い声を漏らす。その声に応えるように、舞の動きが激しさを増していく。


 久美子は舞の反応を全身で感じ取りながら、舞を愛撫し続ける。舞の体の変化、呼吸のリズム、小さな震えのすべてを、久美子は敏感に察知する。


 二人の動きが徐々に激しくなっていく。部屋に響く吐息と、肌と肌が触れ合う音だけが、二人の世界を満たしている。


 窓の外では、夜空に星々が瞬いている。その光が、二人の姿を優しく包み込む。


 久美子と舞は、互いの名を呼び合いながら、最高潮に達する。その瞬間、二人の世界は光に満ちたかのようだった。


 窓の外では、夜空に星々が瞬いている。その光が、二人の姿を優しく包み込む。


 翌朝、目覚めた二人は窓から差し込む朝日を見つめていた。新しい一日の始まり。そして、二人の関係の新たな局面の始まりでもあった。二人の前には、まだ多くの困難が待ち受けているだろう。しかし、この夜を共に過ごしたことで、二人の絆はより深まったように思えた。

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