第6章: 過去との対峙

 初秋の風が吹く土曜日の午後、

 久美子は静かな日本庭園に佇んでいた。

 蝶子の写真を手に持った久美子はそれを静かに見つめている。


 久美子は深呼吸をして、静かに語りかけた。


「蝶子、私、また誰かを好きになりそうなの」


 涙が頬を伝う。長い間押し殺していた感情が、一気に溢れ出す。


「あなたが突然いなくなって、私、ずっと苦しかった。でも……」


 久美子は言葉を探した。


「今、新しい人生の可能性を感じているの。それでいいのかしら?」


 風が吹き、木々の葉が揺れた。久美子はそれを蝶子からの返事のように感じた。



 夕暮れ時、久美子のアパートのドアをノックする音が響いた。開けると、そこには舞が立っていた。その表情は暗く沈んでいた。


「話があります」


 久美子は舞を部屋に招き入れた。二人はソファに腰掛け、しばらくの間沈黙が続いた。


 やがて、舞が口を開いた。


「私、幼い頃から家庭内暴力に悩まされてきました」


 舞の声は震えていた。久美子は息を呑んだ。


 舞は深く息を吸い、震える声で語り始めた。


「父が……酒乱で。母は見て見ぬふりをしていて。それで、私は……」


 舞の目に涙が光る。久美子は静かに舞の手を取り、優しく握った。


「夜になると、父の怒鳴り声で目が覚めるの。酒臭い息を漂わせながら、母に暴力を振るう音が聞こえてくる。私は布団の中で震えながら、いつ自分の部屋のドアが開くかと恐れていた」


 舞の声が途切れる。久美子は黙って頷き、舞が続けるのを待った。


「ある日、父の暴力から母をかばおうとして、私も殴られたわ。顔に青あざができて、学校に行けなかった。先生に聞かれても、階段から落ちたと嘘をついた」


 舞は目を閉じ、過去の記憶と向き合っているようだった。


「逃げ出したかった。でも、母を置いていけなかった。それに、どこに行けばいいのかも分からなかった。毎日が地獄のようだった」


 久美子は舞の手をさらに強く握った。舞はその温もりに力をもらったように、少し落ち着いた様子で続けた。


「高校生になって、やっと家を出る計画を立て始めたの。バイトをして少しずつお金を貯めた。そして大学に合格して、やっと……やっと自由を手に入れたの」


 舞の目に決意の光が宿る。


「大学に入学した日、初めて自分の人生を歩み始めた気がした。でも、過去のトラウマは簡単には消えなかった。人を信じること、愛することが怖かった。誰かに近づかれるだけで、身構えてしまう」


 舞は久美子の目を見つめた。


「でも、先生と出会って、少しずつ変われた気がするの。初めて、安心して誰かを愛せると思えた」


 久美子は静かに舞を抱きしめた。舞の体が小刻みに震えているのを感じる。二人は長い間、言葉を交わすことなく抱き合っていた。窓の外では、夕暮れの空が静かに色を変えていった。


「でも先生、私は今でも誰かを愛することが怖いの」


 舞の告白に、久美子は深く共感した。自分も蝶子との別れ以来、誰かを本当に愛することを恐れていたのだと気づく。


 二人は抱き合い、互いの温もりを感じながら、過去の傷を癒そうとしているかのようだった。


「私の愛でそれを埋めることはできないかしら?」


 久美子は舞をそっと抱きしめた。その腕の中で、舞の体の柔らかさと温もりを感じる。久美子の鼻腔には、舞の髪から漂う甘い香りが満ちた。舞は久美子の胸に顔を埋め、その鼓動を耳で感じ取る。


 長い抱擁の後、二人の目が合った。

 久美子は舞の瞳に映る自分の姿を見つめ、舞は久美子の目に宿る情熱を感じ取る。


 唇が触れ合う。柔らかく、そして熱い。久美子は舞の唇の感触を舌で確かめ、舞は久美子の口内の味わいを堪能する。


 二人の吐息が混ざり合い、部屋に甘美な空気が漂う。


 久美子の手が舞の背中を撫で、舞は久美子の首筋に指を這わせる。互いの肌の感触を確かめ合うように、ゆっくりと、そして情熱的に。


 衣服が床に落ちる音が静かに響く。


 柔らかな夕日の光が窓から差し込み、二人の裸体を優しく包み込む。久美子は舞の肌の輝きに見惚れ、舞は久美子の体の曲線に目を奪われる。


 久美子と舞は、互いの体を熱心に探索し始めた。部屋の空気は二人の熱気で満ち、甘美な緊張感が漂っていた。


 久美子の指先が舞の首筋をなぞる。その感触に舞は小さく震える。舞の肌の滑らかさと温もりを、久美子は指先で感じ取る。


 舞は久美子の肩に唇を押し当てる。久美子の肌の薄い塩味と、かすかに残る石鹸の香りを感じる。久美子は舞の唇の柔らかさに息を呑む。


 久美子の舌が舞の耳たぶを舐める。舞は思わず小さな声を漏らす。その声に刺激され、久美子の動きは大胆になっていく。


 舞の手が久美子の背中を下へと滑っていく。その感触に久美子は背筋を伸ばし、快感に身を委ねる。


 久美子は舞の胸元に顔を埋める。舞の体の香りを深く吸い込み、その甘美な香りに陶酔する。


 舞は久美子の髪に指を絡める。その感触を楽しみながら、久美子の首筋に唇を這わせる。


 二人の吐息が混ざり合い、部屋に甘い音が響く。


 久美子の唇が舞の腹部を下っていく。その感触に舞は思わず体を反らす。久美子の唇の柔らかさと温かさが、舞の肌に鮮烈な印象を残す。舞の腹部の筋肉が緊張し、久美子はその変化を唇で感じ取る。


「久美子先生……」


 舞の声が部屋に響く。その声は甘く、切実で、舞の唇から零れ落ちる。久美子はその声を聞き、さらに情熱を掻き立てられる。


 久美子は舞の肌の香りを深く吸い込む。汗と石鹸の香りが混ざり合い、独特の芳香を放っている。その香りに久美子は陶酔する。


 舞は久美子の髪を優しく掴む。指に絡まる久美子の髪の感触を味わいながら、舞は目を閉じ、全身で久美子の愛撫を感じ取ろうとする。


 久美子の舌が舞の肌をなぞる。その感触に舞は小さく震え、思わず吐息を漏らす。久美子はその反応を見逃さず、さらに舌を這わせる。


 舞の肌の味が久美子の舌に広がる。微かな塩味と、舞特有の甘みを感じる。久美子はその味わいに夢中になる。


 部屋には二人の吐息と、肌と肌が触れ合う微かな音だけが響いている。その静寂が、二人の行為をさらに官能的なものにする。


 久美子は舞の体の反応を目で確かめながら、唇を這わせる場所を探っていく。舞の肌の色が僅かに変化し、鳥肌が立つのを見て、久美子は満足げに微笑む。


 舞は久美子の頭を両手で包み込む。その温もりに久美子は安らぎを覚えつつ、さらに情熱的に舞の体に唇を這わせる。


 久美子の唇が舞の下腹部に到達する。舞の肌の柔らかさと温もりを感じながら、久美子は緩やかに動きを止める。舞の体の緊張が伝わってくる。


 舞は思わず腰を浮かせる。その動きは久美子への無言の要求だ。久美子はその仕草に応えるように、舌を使い始める。久美子は優しく舞の花びらをひらき、そこにある可愛らしい芯を優しく舐め始めた。舞の体がそれにびくん、と反応する。


 舞の肌の味が久美子の舌に広がる。微かな塩味と、舞特有の甘みが混ざり合う。久美子はその味わいを堪能しながら、舌を動かす。同時に優しく指を挿入する。


 舞は久美子の髪を両手で優しく掴む。指に絡まる髪の感触を味わいながら、舞は目を閉じ、全身で久美子の愛撫を感じ取ろうとする。


 久美子の舌が舞のさらに敏感な部分に触れる。舞は思わず体を反らし、小さな声を漏らす。その声が部屋に響き、久美子の耳に甘く届く。


 久美子は舞の反応を目で確かめながら、舌と指の動きを調整していく。舞の肌の色が僅かに変化し、全身に鳥肌が立つのを見て、久美子は満足げに微笑む。


 舞の吐息が激しくなっていく。その音が部屋に満ち、久美子の情熱をさらに掻き立てる。


 久美子は舌と指の動きを少しずつ速めていく。舞の体が小刻みに震えるのを感じ取り、その反応に応えるように動きを変化させる。


 舞は久美子の名を呼ぶ。その声には切実さと甘美さが混ざり合っている。久美子はその声に導かれるように、さらに情熱的に舌を動かす。


 部屋の空気が二人の熱気で満たされていく。汗の香りと、二人だけが知る甘美な香りが混ざり合う。


 舞の手が久美子の肩を掴む。その指先の力加減に、舞の快感の高まりが伝わってくる。久美子はその感触を確かめながら、舌の動きを調整する。


 久美子は舞の体の変化を全身で感じ取る。舞の呼吸のリズム、体の震え、筋肉の緊張。それらの変化に合わせて、久美子は舌の動きを変えていく。


 舞の声が次第に高くなっていく。その声が部屋に満ち、エコーのように響く。久美子はその声に励まされるように、さらに情熱的に舌を動かす。


 二人の体が完全に調和し、一つのリズムを刻み始める。その瞬間、時間が止まったかのような静寂が訪れる。そして次の瞬間、二人は激しい快感の渦に巻き込まれていく。


 舞の声が部屋に満ちる。


「久美子先生……久美子せんせぇ……」


 その声は切実で、甘く、部屋中に響き渡る。久美子の名前が舞の唇から繰り返し零れ落ちる様子は、まるで祈りのようだ。


 久美子はその声に導かれるようにさらに激しく動く。唇が舞の肌に触れるたび、舞の体が小さく震える。その反応に、久美子は更に情熱を掻き立てられる。


 舞の肌の香りが久美子の鼻腔を満たす。汗の塩味と、舞特有の甘い香りが混ざり合い、久美子を陶酔させる。久美子はその香りを深く吸い込みながら、舞の体を愛撫し続ける。


 久美子の唇が舞の最も敏感な部分に近づくにつれ、舞の呼吸が荒くなっていく。その音が部屋に響き、久美子の耳に甘く届く。久美子は舞の反応を全身で感じ取りながら、唇の動きを調整していく。


 舞は久美子の髪を両手で優しく掴む。指に絡まる髪の感触を味わいながら、舞は目を閉じ、全身で久美子の愛撫を感じ取ろうとする。その仕草に、久美子は更に舞を求める気持ちが強くなる。


 久美子の唇が舞の最も敏感な部分に触れる瞬間、舞の体が大きく震える。その震えが久美子の体にも伝わり、二人の体が共鳴するかのようだ。


 舞の肌の味が久美子の舌に広がる。微かな塩味と、舞特有の甘みが混ざり合う。久美子はその味わいを堪能しながら、舌を繊細に動かしていく。


 部屋の空気が二人の熱気で満たされていく。窓ガラスが曇り始め、外の世界との境界が曖昧になっていく。二人だけの世界が、この部屋の中に生まれつつある。


 舞の手が久美子の肩を強く掴む。その指の力加減に、舞の快感の高まりが伝わってくる。久美子はその感触を確かめながら、唇と舌の動きを調整していく。


 久美子は舞の体の変化を全身で感じ取る。舞の呼吸のリズム、体の震え、筋肉の緊張。それらの変化に合わせて、久美子は愛撫の強さと速さを変えていく。


 舞の声が次第に高くなり、激しくなっていく。その声が部屋に満ち、壁に反射して二人を包み込む。久美子はその声に励まされるように、更に情熱的に舞を愛撫する。


 二人の体が完全に同調し、一つのリズムを刻み始める。その瞬間、時間が止まったかのような静寂が訪れる。そして次の瞬間、二人は激しい快感の頂点へと押し上げられていく。

 舞の指先が久美子の腰を掴む。その感触に久美子は熱い吐息を漏らす。


 二人の体が絡み合い、新たなリズムを刻み始める。肌と肌がこすれ合う音が静かに響く。


 久美子は舞の体の反応を目で確かめ、さらなる快感を与えようと努める。舞は久美子の動きに合わせて体を動かし、その快感を全身で受け止める。


 部屋の温度が上がり、二人の肌は汗で輝く。その光景に互いが魅了される。


 舞の指が久美子の背中を下りていく。その感触に久美子は身震いし、さらに舞を求める。


 二人の動きが激しくなり、ベッドが軋む音が響く。その音が二人をさらに興奮させる。


 久美子と舞は互いの目を見つめ合う。その瞳に映る情熱と愛情を確かめ合う。


 舞の甘い声が部屋に響き、久美子の低い吐息がそれに和する。


 汗ばんだ肌と肌が触れ合い、その接点で火花が散るかのよう。


 二人の体が一つになり、リズミカルに動く。その動きに合わせて、ベッドが軋む音が響く。


 久美子は舞の首筋に顔を埋め、その香りを深く吸い込む。舞は久美子の背中に爪を立て、快感を訴える。


 部屋の中は二人の熱気で満ち、窓ガラスが曇り始める。


 絶頂が近づくにつれ、二人の呼吸は荒くなり、体の動きは激しさを増す。


 そして、二人は同時に最高潮に達する。


 その瞬間、部屋全体が金色に輝いているかのようだった。


 その夜、久美子と舞は互いの傷を舐め合うように、優しく、そして激しく愛し合った。二人の吐息が部屋に満ち、新たな絆が生まれていくのを感じた。


 窓の外では、秋の夜空に星々が輝いていた。

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