怠夢

@Eeeta

この世界は現実なのか、夢なのか

時間に飲まれるか、時間を飲むか。

 今日は、何をしよう。そう考えながら、飼っているオウムに餌をやる。不自然に口を動かしているが、餌が欲しいのか。少し多めに餌をあげた。休みの日だし、特にしなければいけないこともない。いわば、暇だ。ソファに横になって、テレビを見ていた。

 気がつくと、寝落ちしていた。日々の疲れが溜まっていたらしい。外はすでに暗くなっていた。鳥の鳴き声が聞こえてくる。僕は、時間をこぼしてしまった。焦りで胸がいっぱいになった。

 僕は、その焦りで目を覚ました。外はまだ明るかった。安心した。テレビを消して、また目を瞑る。

 僕は、ベッドの上でアラームによって起こされた。いや、鳩の鳴き声が起こしてくれたのかもしれない。僕らは、時間に飲まれている。今日はせっかくの休みの日だ。

 空は、晴れていた。ベランダに出る。ふと、夢を思う。

『飛びたい。』

 柵を越えて、飛び立つ。僕は、時間を飲み干した。

 

 

 

 

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