手紙は凶器
雨宮 白夜
第1話
何かやらかした訳ではない。
ただ、バイト先から家に帰っていただけだったのに ____
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はぁ、疲れたぁ゙
深夜12時過ぎ。
バイト終わりの俺は、夜食に何か買おうと思って家の近くのコンビニに立ち寄った。
アイスでも食って帰るか
そう思って、アイスと飲み物、ちょっとした食べ物を買って外へ出る。
アイスの前に煙草、っと。
休憩中は吸えないからな。
俺はコンビニの外に置いてある灰皿の近くに立ち、煙草を吸っていた。
店員のお姉さん、可愛かったなーだとか考えながら。
煙草を吸い終わって、アイスを食べながら家に帰る。
何か足りない気がした。
あ、チキン頼んだのに入ってねえじゃん
あのお姉さん、入れ忘れたな
すぐにコンビニに戻り、レシートを見せ受け取った。
申し訳ありません、って謝られたけど大したことじゃないし、大丈夫ですよって言っておいた。
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次の日
今日はバイトもないし、講義も午後からだから暇だな。
飯でも買いに行くか
昨日と同じコンビニでいいや
近いし、あのコンビニは常連だ。
よく、大学の後やバイト終わりに通っている。
昨日のお姉さん、見たことなかったし最近入った人かな。
おっと、ごめんなさい
あ、お姉さんコンビニの
道で人にぶつかってしまった。
咄嗟に謝ると昨日のお姉さんだった。
俺がコンビニの店員さんですよね、と聞くと。
は、はい
昨日はすみませんでした、今もぶつかってしまって
と、丁寧に謝ってくれた。
お姉さん、ここら辺に住んでるんですか?
はい、あのコンビニで働いているのも近いからって理由で
そんなたわいもない話をした。
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それから、よくお姉さんと会うようになった。
家が近いと言っていたし、何ら不思議ではない。
最近、アパートの俺の部屋のポストによく分からない手紙が一通入っていた。
その内容と言えば、当たり障りのない普通の手紙だった。
最初は間違えて投函されたものだと思ったが、俺宛になっていたので間違いではないだろう。
それから、手紙の内容はエスカレートしていった。
俺は最初の方こそ何も気にしていなかったが、どんどん過激になっていく内容に耐えられなくなっていった。
コンビニで会計をしているとき、お姉さんに聞かれた。
大丈夫ですか、?
最近、顔色が優れないように見えますけど
心配させてしまった。
本当にこの人は優しいな。
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ああ、お兄さん
大丈夫です
私が居ますから
どうか
このままで居て
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助けてくれ
あの、お姉さんは ____ !
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その後、講義で彼を見た者はいない。
彼女は、愛に狂った怪物か。
はたまた、何か得体の知れぬこの世以外の者か。
手紙は凶器 雨宮 白夜 @amamiyabyakuya
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