光る手鏡

第3話 光る手鏡(1)

 僕は誕生日に父と別れた。突然の別れで頭の整理が追いついていないうちに辺りが明るくなり、北根寺の門が開いた。門を開けた僧侶は一瞬私と目があったので私は声をかけた。


「あのーこの北根寺に用事があるのですが、入ってもよろしいですか?」


しかし、僧侶の反応はなかった。私は無視さらた事に苛立ったが、今は帰る場所もない。私は許可が出るまでひたすら待つ事にした。

だその後僧侶や、来客などの人々の出入りがあったが私の事を気にする様子はない。

 お昼を過ぎても入れそうな様子は無く、ついに私は眠気に耐えきれず座って寝てしまった。

しばらく寝ていると提灯を持つ子供の僧侶が声をかけていた。


「あのーすみません。入門の許可が出ましたので、お入りください。」


「あーすみません寝てしまってました。」


「入門前の待修行はみんな寝てますから大丈夫ですよ。」


「そうですか?まぁでも案内されて良かったです。」


「さぁ、教育係の者がお待ちですので案内します。」


「はい。よろしくお願いします。」


「私は子供の僧侶についていった。真っ暗な森の坂道をひたすら登った。」


「どのくらいで着きますか?」


「そうですね15分くらいです。」


「足がもう限界です。もう少しゆっくりしていただけませんか?」


「それはいけません。定刻通りないかないと出家は認められなくなってしまうので、頑張ってください。」


「はい。分かりました。」


僕はクタクタになりがらも、本堂につくことができた。本堂には代表僧が待っていた。そして入門の儀式が行われた。儀式を行う部屋は木の板を燃やしてお経を唱える僧侶の2人がいた。

「あなたは、古祖 良成殿で間違いありませんか?」


「はい、間違いありません。」


「生物が育つ環境を壊さないことを誓いますか?」


「はい」


「よろしい。古祖 良成そなたを北根寺の入門を認める。」


「ありがとうございます。」


「自己紹介遅くなりました。私は、北根寺代表僧の毛杉けすぎと申します。以後お見知りおきを」


「さあ、お経をやめよ水郷みずさと


「はい、申し遅れました。水郷と申します。古祖 さんよろしくお願いします。」


「水郷さんよろしくお願いします。」


「古祖どの今日の行事はしまいじゃ。 よく待ち修行を耐えたな。夕食に備え寝るが良い明日は日の出とともに起きてもらい、掃除からはじめるとする。北根寺は一つ一つが木教修行となっておる。気を抜かずにがんばってください。」


「はい、ありがとうございます。よろしくお願いします。」

そうして僕は、指定された部屋は畳2枚分の小さな部屋に行った。

「こちらが古祖さんこちらがあなたの部屋です。とても狭い部屋ではありますが、生活する分には十分だと思います。明日は早いので、ロウソクは短めにしておきました。用意してある精進料理を食べていただき明日へ備えてください。」


「はい、分かりました。」

そうして私は、明日に備えて大根の味噌汁と玄米を食べて眠りについた。

続く




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