病は夢から
雨宮 白夜
第1話
寒い、
暗い、
孤独、
嫌よ、
こんなところ
早く、
誰か、
助けて ____
꧁——————————————————꧂
はぁ、はぁ
あの日は夢見の悪い朝だった。
朝、といっても午前3時くらいだったのを覚えている。
私の部屋のベッドの隣には、ちょっとした机がありその上にデジタル時計を置いている。
確かその時刻は午前3時28分、だったと思う。
時間を確認し、異様に喉が渇いていた私はまだ寝惚けている朧気な眼で床を認識する。
ふらふらとしたおぼつかない足取りで階段を下りる。
手すりを使って落ちないように丁寧に。
キッチンに着き、冷蔵庫を開け、冷えた水を取り出す。
戸棚からグラスを出し、とくとくと水を注ぐ。
その水を渇いた喉に流し込む。
水を飲んでも渇きが収まらない。
新しく水を注ごうとして、止まる。
私はなんの夢を見ていたんだろう
ふと、そう思った。
動きが静止した私は、学の足りない脳で懸命に考えた。
思い出そうとした、と言うのが正しいだろうか。
何度考えても思い出せなかった。
ずっと立っていたからか、疲れてへたりと座り込む。
部屋へ戻らなくては、そう思いつつ重い足取りで階段へ向かう。
行きと同じように、手すりを使い丁寧に一段一段登っていく。
はぁ
部屋へ着き、ベッドに倒れ込む。
体力がないのは考えものだな。
頭を使い、体力までも消費してしまった。
おまけに時刻は午前3時40分程を刺している。
頭で考えることは沢山あるのに身体が追い付かない。
考えない、と。
でも、眠い。
その後、私は夢から覚めることはなかった。
病は夢から 雨宮 白夜 @amamiyabyakuya
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