032 ~温かい時間~
(*一部内容を変更しております)
買い物をしていた時、目の前の特別な光景に目が奪われた。
おそらく足が不自由な女性が車椅子に乗っていて、
その車いすを小さな男の子が押していた。
ママ、○○ちゃん、と言い合っていたので、
親子であることは間違いない。
最初は、
逆? と思ったし、
母が押されている? ことに違和感を持ってしまった。
それが申し訳ない。
その男の子は背丈から考えれば、小学3,4年生ぐらいか。
自分の胸元ぐらいまであるハンドルをしっかりにぎって、
一心に車椅子を押していた。
嫌がることもない。
面倒くさがることもない。
むしろ、妹/弟が乗っているカートを押してあげているような
兄としての勇ましさがある。そして優しさだ。
また別のコーナーで見かけた時には、
その親子はそれぞれ別行動をしていたようで、母は一人で精肉売り場に、
そして男の子はお菓子売り場で小さなカゴを持っておやつを物色しているようだった。そういった子どもの一面もしっかり持っている。
私も妻と買い物をしていたから、
その後その親子がどんな買い物をしたかはわからない。
そしてどんな事情があるかもわからない。
でも一つ言いたいことがある。
その母にも、そして男の子にも、幸せになってほしいということだ。
優しそうな母親に、
よくできた息子さんであればそんな心配は不要なのかもしれない。
でも、世の中には平等ではない時がある。
こういった家庭ほど、ぜひ幸せになってほしいと思う。
とても温かい時間がそこには流れていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます