031 ~妻は買い過ぎるが、たぶん正しい~

妻はいつも、家計を気にしている。


買い物から帰ってくる度に、

「おっかしーなー、今月もうピンチかも。」

と嘆いている。


僕の稼ぎが少ないのが原因なんだけれど……、

実はもう一つ理由がある、と思っている。


実は妻には、浪費癖がある。

「他」かどうかは明言しないが、少なくとも「自ら」はそう認めている。


しかし極端に金遣いが荒いわけではない。

「広く浅い」使い方をする。


妻にそう言ったら、ぽかんとしていた。


どういうことかと言うと、

特定のものにお金をかけるのではなく(狭く深く)、

色々な製品に手をつけるということだ(広く浅く)。


具体的には、嗜好品だ。


・食パン、安い方でいいのでは……。

・ジャム、それ一番高いやつ……。

・わざわざ水をペットボトルで買わなくても……。

・アイスはなくなってから買えばいいんじゃ……。


・毎朝菓子パンだと単価が……。

・面白そうだから買うの? そのメロンソーダの原液……。

・限定商品だけど、それちゃんと使う……?

・毎週外食している気が……。


などなど、色々なところでちょっとずつ高い買い物をしているわけだ。


妻はそうして今まで過ごしてきたので、

知らないうちに、世帯の所得に不相応な生活水準なってしまっているんだと思う。


そして子らも影響を受けていて、いいものにしか興味がない。

だからさらにお金がかかる。


僕がケチなのかな……。

いやそんなことはないはず。

僕の金銭感覚は庶民的より少し低いぐらいだと思っている。


だからどうにかその点を直していきたいと思いつつ……。

しかし妻の言う通りにしたいと思う。


「きょう死んでも悔いのないように、毎日を過ごしたい!」


大きな病気を経験した妻だから出る言葉なんだと思う。



そういうことなら、納得。

さて、明日はどの良い食パンを買おうか。

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