015 ~主夫の一面~

僕が主夫を名乗るようになったのは2023年4月からだ。


塾業界から転職して別業界に飛び込んだ僕は、

そこで働くことができなくなってしまった。

それが同年3月のことだった。


妻はシフトを増やすと言って、子どもと僕を支えてくれた。

だから僕が、また塾講師にアルバイトから社会復帰を目指す傍ら、

主夫になることに決めた。


もともと家事はしていたから苦ではなかったけれど、

まいったのは料理だ。


調味料の合わせ方なんてしらないし、

野菜の何切りかなんて聞いてもわからなかった。


調べながら作るもんだから時間もかかる。


最初は仕事から疲れて帰ってきた妻の足を引っ張ることだらけだった。


それが今では、

大体のことは一人でできるようになった。

仕事復帰した今でも、これは続けている。


料理する楽しさや、

作ってくれたものを食べてもらえる喜びもわかったからだ。


同時に、スマホを片手に食事されることの苛立ちも(笑


専業主婦だった母はより一層思うことがあったと思う。


今ではそれがよくわかる。

それが、僕の主夫の一面だ。



さて、きょうは何つくろう。

妻が買ってくれた前掛けも、だいぶ似合うようになってきている。


味は、たぶん美味しい。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る