転生水竜の異世界リゾート島くらし~自分だけのリゾート島を開拓しながら逃亡貴族の魔術師や、無邪気な島エルフ達に寿司、水着、マリンスポーツを布教したり道具をクラフトしてのんびりスローライフする話〜
第14話 使い魔ウンディーネを利用したマグロ漁と冒険狩猟船《海体験&冒険者コミュ回》
第14話 使い魔ウンディーネを利用したマグロ漁と冒険狩猟船《海体験&冒険者コミュ回》
「キュイキュイ!!」
「きゅい!」
翌日!!!
最高の日差し、青い海、青い空、そしてどこまでも続く海中世界で繰り広げられる勝負!
私はまたイルカ旅団と共に漁に出ていた。
拠点から少し泳いだ場所、イルカ達が興奮したように一気に泳ぎ出す、その先で私が見たものは――
「「「「「「「「「「「「「マグロ、ご期待ください」」」」」」」」」」」」」
とんでもない規模のマグロの群れ!!
何かしゃべったような気がするが、サメがしゃべってもマグロが喋る訳はない。
銀の魚体が太陽の光を照り返し、輝く。
「キュイ!! キュイ!!」
「きゅいきゅいきゅい!」
「キュイ!!」
イルカ達が連携しながら挟み込み追いかけ続ける。
だが、この速度!!
さすがは回遊魚、巨体、そしてこの速度……!
一筋縄ではいかない。
「キュイ!」
イルカ達の猟の決め手は恐らく昨日イワシ漁で見せたあの水の波動のような攻撃だろう。
前の世界のイルカも超音波を利用して魚群を追うと聞く、異世界イルカ達がより攻撃的な手段を持っていてもなんら不思議はない!
うん! イルカは賢いからな! 水魔法くらい使えるさ!
「「「「キュイキュイ!」」」」
イルカ達が左右から挟み込み、波動を放つ。
しかし。
ざああああああああ!!
物凄い速度で一斉にマグロ達が回転した!?
スピンする事により、波動の影響を最小化したらしい。
なるほど、さすがはマグロ、一筋縄ではいかないらしい。
だが、しかし。
この群れには私がいるのだ。
「GRUOOOOOOOOOOOOOOO!!」
大口を開け、口から水を震わせる。
巨大な水の波動、マグロ達に直撃……!
少し動きが鈍くなる、今だ!
スキルツリーで手に入れた私の新たな力!!
魔法とはイメージ……、来い!!
”ウンディーネの召喚”!!
「GUROOOOOOOOOOOOOO!!」
「ちゅぷ」
水が、蠢く。
ごおおおおおおう!!
水が逆巻く。
イルカ達は私のやろうとしている事に気付いたらしい。
一気に下降、よしそれでいい!
水鱗生成と併せて手に入れた新たな私の力、ウンディーネの召喚、その効果――!
「ちゅぷううううううう」
「「「「「「「「「マグロ!!!!????」」」」」」」」」」」
意思を持つ水。
水の身体を持つ精霊の使役!
水が鳴いている、私のイメージに答えろ!
渦潮となれ!
ざああああああああああああああ!!
海流がねじ曲がり、海中世界にバブルシャワーが!
回転する海流が渦となり、マグロ達を閉じ込める。
マグロ達が泳ぎのバランスを失う、力任せにどうこうできるもんじゃない。
「「「「「「「キュイキュイ!」」」」」」
賢いイルカでもない限りはな!
イルカ達が一気に渦に乗り、マグロ達に襲い掛かる!
素晴らしい連携!!
おお、すごい、イルカがマグロに体当たりしたり、尾びれでぶん殴ったり!
……かなりフィジカルな攻撃だな……。
まあいい、とにかく、イルカ達に渦潮デスマッチを仕掛けられたマグロ達はひとたまりもなかったようだ。
「「「「「「キュイキュイ!!」」」」」
「GRUOOOOOOOOOOO!!」
「ちゅぷ」
マグロ漁大成功!!
……マグロ漁、こんな感じなんだな。
お、イルカ達がマグロの食事を始めたぞ。
どうやって食べるんだ?
流石に彼らと言え、イワシみたいに丸呑みは……
「キュイキュイ!!」
「キュイ!」
「きゅい!」
スパッ。
おお……イルカ達が口から水、なんか鋭い水を吐いた?
ウォーターカッターの要領か、マグロが綺麗に真っ二つ。
切り身になったマグロをパクパク食べ始めるイルカ達。
イルカってあんな水鉄砲技持ってたんだな……。
「GR……」
まあいい、私もマグロを頂こう。
考えてもみればマグロなんて久しぶりだ。
たまの休みでも眠すぎてコンビニ食だけだったものな……。
「キュイキュイ!」
何てことを考えていたら、ピンクイルカがマグロを咥えて持ってきてくれた。
やはり、赤ちゃんだと思われているのだろうか。
頂きます!!
……美味い! なんという濃い味……!
なるほど、マグロは丸呑みしたらこんな味なのか。
トロ、赤身、カマ、骨、全てが混ざったパンチのある味わい。
鼻に抜ける濃厚な味、甘みすら感じる分厚い魚肉。
う~ん、ワイルドな味だ!
……これ、寿司ネタにしたら最高なのでは?
いや、ドラゴン的にはこの味も最高なのだが。
「ちゅぷ……」
うねうねしている海水の塊、ウンディーネちゃん海中モードが物欲しそうな声を上げる。
え、お前も食べたいの?
マグロを渡すと……
「ちゅぷ♪」
しゅわああああああああああ。
うわ、溶けた……!
ウンディーネってマグロ食べるんだ……。
「キュイキュイ?」
「ちゅぷ?」
「きゅいきゅいきゅい」
「キュイ?」
「キュイっ!」
「ちゅぷちゅぷ!」
ウンディーネちゃんとイルカ達はなかなか気が合うらしい。
うねうねする彼女?をイルカ達がダンスで受け入れる。
イルカ達も猟の仲間として歓迎しているのだろうか?
「キュイ?」
「ちゅぷ?」
その時だった、海面に影が差す。
イルカ達が残ったマグロを咥えて、海面に上がりだす。
……なんか前にもこんな事があったな。
あのエルフの少女は元気だろうか。
私もゆっくり海面を目指して。
ざおぱあん。
クークークー!
海鳥の鳴く声、エメラルドの海面、そして。
「GRR……」
驚いた。巨大な帆船だ……!
美しい木造の船体に、立派なマストが4本も……!
とがった船首には竜を象った彫像が。
確か、ガレオン船という呼び名だったか?
だが、帆が全部破けている…
海賊船? まさかな。…?
まるで何かに燃やされたかのように、マストにも焦げ跡が……。
「う、うわああああああああ!! 報告、報告うう!! 竜だ! 竜が出た!!」
「おい、冗談はよせ……うおおおおおおおお、マジか!? ハンター!? ハンター殿を呼べ!」
「クソ!! 奴隷船の次はモンスターかよ!? しかも、巨大な海棲種!? 冗談じゃねえ!」
「バリスタ用意しろバリスタ!!」
「もうねえよ! あの海賊のクソどもにぶちかましましたァ!」
「船長とハンター殿を早く! 今攻撃されたら逃げる事も出来ねえぞ!」
しまった、驚かしてしまったらしい。
さて、どうしたものか。
とりあえず、イルカ達を傷つけられたらたまらない。
水鱗生成――。
水の鱗よ、我が友の盾となれ。
イルカ達を覆うように水の鱗が空中に。
ウンディーネちゃん。
我が使い魔は静かに船底の位置に。
万が一の時は……沈めてしまおう。
「……は? おい、あれ、まさか、魔術……水を、操ってる?」
「嘘だろ……まさか、古竜種……海に棲む、古竜なんて聞いた事が……」
さて、船乗りさん達、君達は果たしてスローライフに相応しい者か、否か。
私に、教えてくれ。
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