第11話 スキルツリー《スキル選択回》
「さて、いくらプライベートビーチとはいえ、だ、この姿はなあ……」
私は海面に移りこむ美少年ボディを眺める。
加齢とストレスによってボロボロの中年ボディはもはやなく、そこにはすらっとした色白水色長髪の美少年がそこに。
「ふ、良いセンスだ、しかし全裸、いやまあ。ある意味究極のリラックスだが……」
さて、どうしたものか。
こういう時、スローライフもののアニメやラノベでは必要なものは能力で揃えるのが定石。
良い感じのクラフト能力や、もしくは何かを買う能力か。
だが、今、私の手元にある手札は……
「竜化と……水属性魔法か……無理じゃね?」
「キューィ」
ああ、イルカ達が優雅に背泳ぎでぷかぷか昼寝をしている。
くそう、私も竜のままなら鱗とかあるから気にならないのに……ん?
「待てよ………」
私の手札、竜化、水属性魔法(神話級)。
あ、あれもある。
「スキルツリー」
【スキルツリーシステム承認――】
「うお!?」
ぱしゃ!
どこからか水が現れて文字になった!?
これは……
【保有スキルポイント”2”】
【いくつかのスキルがアンロックできます】
【竜化・スキルツリー】
・竜雷 必要ポイント1
・竜眼 必要ポイント1
・水鱗生成 必要ポイント1
【水属性魔法(神話級)】
・ウンディ―ネの召喚 必要ポイント1
・バアルの豪雨 必要ポイント1
・オケアノスの大渦 必要ポイント1
……すごい、スキルツリーだ。
ラノベやアニメ、ゲームでお馴染み。
己の選択で己の特異を選べる画期的なシステム。
自由度が高い反面、何を選んだらいいかわからないみたいな事にもなるが……その点私は問題ない。
うん、まずどう見てもナシなのが、バアルの豪雨とオケアノスの大渦だな。
私は神となるつもりも恐ろしい竜になるつもりもない。
リゾートライフがしたいのだ!
あとは……竜雷も危なそうだな、それに竜眼……ううむ、名称だけで細かい仕様がわからないな……。
「……スキルツリー、説明を見せろ」
ダメ元で呟いてみると……
【竜雷:背中の甲殻に蓄電機構を生成し、それを放出する事が可能となる】
【竜眼:定命の物、または己より位階の低い生物に対し、畏怖を与える】
「わあ、物騒……」
そんなものを手にしたらバトルドラゴンになってしまう。
却下。
答えは得た。
このツリーの中から今の私に必要な力とは――。
「スキルポイントを”2”使用、水鱗生成、ウンディーネの使役を獲得する」
【システム承認・スキルを獲得。次回以降、習得したスキルに応じてツリーが変化します】
「うお……」
水の文字が光となって私の身体にしみこむ。
水鱗生成とウンディーネの召喚……。
凄いな、使い方がなんとなくわかる。
これが、スキルツリー……。なるほど流石我が神……素晴らしい能力だ。
では、さっそく……。ふふ、異世界に来たらこれ、言ってみたかったんだ。
「スキル使用――」
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