第27話 嫁とイチャイチャ①

「ていう事があったんだ」


 学校であった事をせーちゃんに話す。ユズや藤代の事や、弁当が美味しかった事、そして北条姉弟の事。特に隠さなければいけない事は無いと思っていたんだが


「…へぇ…その祓魔師姉弟ミナくんを拘束したんだ…その上ミナくんを傷付けようとしたんだ…へぇ…」


 お、こいつはマズい。せーちゃんの怒りが爆発しそうになっている。目にハイライトが無い。声が平坦で抑揚が無くなった。過ぎた事だし、大丈夫かと思ったんだ。


「落ち着いて。別に何もなかったから」


「そういう問題じゃないよ?」


 そういう問題じゃないらしい。


「私のミナくんを傷付けようとした…うふ、うふふ…一度『ご挨拶』に行った方がいいかな、かな」


『ご挨拶』した結果、クラスメイトの丸焼きは見たくないので何とかせーちゃんを宥める。


「せーちゃん大丈夫だって。勘違いだったから何もされてないよ」


「ねぇミナくん、ミディアムとウエルダンどっちが良い?」


「生かな」


「うん。ウエルダンにしようか」


「そっか〜こんがり焼いちゃうのか〜」


 グッバイ北条姉弟。フォーエバー北条姉弟。君たちの事は忘れない。一年ぐらいは。


 まぁ、冗談は置いておくとして、せーちゃんが爆発しそうなのは止めないとね。しかし、どうしようかな。とりあえず、抱きしめてみるか。


「せーちゃん」


「ふわぁ!?ミナくんどうして抱きしめるの?ひゃう!あ、ダメ、耳元で囁かないで…うひぃ!」


 せーちゃんは耳が弱いらしい。顔を赤くして話す度に身じろぎするのが何とも扇情的だ。それに凄く良い香りがする…。


「俺はせーちゃんが俺の友人を焼く所なんて見たくないんだよね」


「ミ、ミナくん、でも〜…」


「わがままでごめんな。でもせーちゃんには笑っていてほしいからさ。背負わなくていい物を背負って欲しくないというか」


「ミナくぅん……んぅ…んあっ」


 色っぽい声がせーちゃんから発せられる。待て俺の息子よ。まだ勃つな。勃つんじゃない!今はダメだ!真剣な話をしているんだぞ!


「ミナくん…脚に硬いのがあたっている…」


 秒でバレた。はい、すみません。節操なしですみません。


「本番は…まだだけど…手伝おうか…?男の子はこうなると辛いって本が…」


 何をだろうか。何を手伝っていただけるのだろうか。そしてどんな本を読んだんですかせーちゃん。


「手伝うって…何を…?」


「えっと手で…?」


 せーちゃんが大変だしいいよ


「お願いします!」


「本音と建前が逆だよ?…えへへ…でも、私で興奮してくれたんだよね?だったら、嬉しい…私頑張るね」


「せーちゃん…」


 せーちゃんの健気さに心打たれる。そしてズボンと下着を脱がされると


「…!?え、え、お、男の子のコレってこんなに大きくなるの!?こ、これを中に…入るかな…」


 せーちゃんが百点満点の反応をした。アカン。今の反応はアカン。抑えが効かなくなるって!


「じゃ、じゃあするね…?痛かったら言ってね」



 三回手伝って貰った。代わりに三回手伝った。色々最高でした(小声)


◆◇◆

 同じベッドでイチャついていると気になった事があったのでせーちゃんに尋ねてみる。


「ちなみにせーちゃんグリムって人知っている?」


「グリム?」


「北条姉弟が言ってたんだ」


「ん〜、グリム、グリム…う〜ん知らないなぁ。その人魔族なの?人間なの?」


「それが分からないんだよね。答えてくれなかったし」


「う〜んそっか。…ねぇ、ミナくんもしかしてそれを手伝おうとしてる?」


「まぁ、何がどうなっているのかさっぱりだけどさ手伝える事は手伝おうかなって」


「…どんな事が起こったのかは分からないけど、正直ミナくんを巻き込んで欲しくない。祓魔師が出るって事は何かしら魔獣か魔族が関わってくるから大体厄介事だし」


「ああ、二人も言ってたよ。ヤバい事件だって。その詳細は答えてくれなかったけど」


「む〜。それが分かっているのに何で踏み込もうとするの?」


「俺が出来る事なんてたかが知れているけどね、放おっておくと何かモヤモヤするんだ」


「…じゃあ、一つだけ条件があります」


「条件?」



「今回の件、私も手伝います。それが出来ないならミナくんをこの部屋から出しません。厄介事が終わるまで閉じ込めちゃいますから」

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