第5話 聞きたいことを聞こうの回
今なら彼女は何でも答えてくれそうなのでオーラのようなものについて聞いてみた。オーラについては神性力が漏れ出た結果、可視化されるものであるらしい。神性力とは神のエネルギーであり、神性とは神の性質であるそうだ。そして神性力は神の意志に大きく影響を受けるとのこと。
彼女の言うことを信じるのであればこの世界には神がいる。そして彼女はこの世界の神であるだ。それにここは太陽の神の影響を受ける国だと言っていた。つまりこの世界には複数の神がいるということであり、目の前の彼女はその一人ということである。正直なところいまいち話が頭に入ってこない。
「そうなんですね」
「何を他人事のように聞いておるのだ?そなたにも神性力が備わっているのじゃぞ。その証拠にそなたは儂が漏らした神性力を見たではないか。神性力を持たぬものに神性力は見えぬ。常識であるぞ」
「⁉」
衝撃の常識である。僕は神ではないのになぜ神性力を持っているのだろうか。それに異世界の常識を主張されても困る。
「しかし僕は神ではありませんよ。それにこの世界の常識など知りません」
「神性力を持っているのは神だけでない。神はその神性を生物や物に与えることができる。例えばこの国には太陽の神の加護を受けた者どもがおり、そいつらは騎士や神官の職についておる。それと物に神が宿ることもある。何でも良いというわけではないがな。例えば神々の残した遺物などは宿りやすい。そなたの国でもあっただろう、八百万の神というものが。それと似たようなものだ」
つまり、神性力を持っている僕は神の加護を持っているということで間違いない。彼女の神性力が見えたのは事実だからだ。
しかし問題がある。僕はいつそんな加護を受けたのだろうか。全く覚えがない。そして僕に加護をあたえた神はいったい誰なのだろうか。僕は日本に暮らしていたので宗教は仏教よりである。神に祈ったのも初詣のときにありきたりな願い事しかしたことがないし、神を信仰しているわけではない。
「では僕は加護を受けているんですか?思い出してみても神と関わった覚えなんてありませんが…」
「何を言っておる?儂と関わっておるだろう。まだ信じておらんか!」
目の前の自称神はぷんすかと怒った。だが仕方ないのだ。僕は今まで神に会ったことはない。第3者の証言でもない限り、目の前の神はどこまでいっても自称神である。
「それと儂はそなたが加護を受けているかどうかはわからん」
「でもあなたが本物の神なら僕が会ったことのある神はあなただけです。つまりあなたが加護をくれのではないのですか?」
「いや、それはない。儂はそなたの神ではない」
「そうですか…」
だとするとますますわからない。僕は人として生まれ、人として生きている。神でもなければ物でもない。加護ももらった覚えはない。
「それと儂を神だと信じておらんそなたに言っておくがな!この世界の常識を学んでおかねば苦労するぞ。ふふ。なんせこの世界は全て神々の影響下にあるからな。だから儂を変に疑い続けるとそのうち痛い目をみるぞ」
そう言って彼女は僕が四苦八苦するのを想像して脅すような意地悪を言った。そしてあのときの夕日に照らされた口元と同じものを見た
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どうもinoinoです。
ここまで読んでくださり、ありがとうございます。
まだ投稿し始めたばかりでそれぞれの話数につき1PVしかないのに、ハートマークをそれぞれに押して頂いて投稿日に4つもハートマークを頂きました。
押して頂いたのはたったお一人様ですが、とてもうれしいです!
ありがとうございます。
素人なりにある程度までのプロットは出来ているので、これから定期的に不定期更新をしていこうと思います。
よろしくお願いいたします。
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