第4話 あの頃のお酒とタバコと街の様子
今はどこへ行っても禁煙だけど、昭和の時代はタバコを吸う人が多かった。
駅のホームや電車の中でも灰皿が設置されていて、普通に皆んな吸っていた。
バス停でもタバコを吸うのは当たり前。
飲食店でも、禁煙というところはほとんど見かけなかった。
職場でも、仕事しながら、休み時間に食堂で、喫煙は当たり前。
私は、昭和の終わり頃には高校を卒業して社会人だったけど、住み込みの仕事先では先輩は皆んな仕事中もタバコ吸ってたし、私も休み時間や食後の一服を楽しみにしていた。
タバコの種類はあんまり多くなくて、私はずっとマイルドセブンだった。
マイルドセブン、セブンスターを吸う人は多くて、もう少し強めのが好きな人は、ショートホープとか両切りピースとか。
今のような軽いタバコは、あの頃はあまり売っていなかった。
タバコの価格は一箱200円~220円程度。
喫茶店や大衆食堂でも、禁煙の店は見かけなかった。
テーブルに灰皿があるのが普通で、食後の一服を楽しむ人は多かった。
お酒を飲まない人も今は増えたけど、昭和の時代は飲む人が多かった。
子供の頃、田舎での生活を思い出してみると・・・
個人商店の酒屋さんはあったし、そこで買って家で飲むという人が多かった。ビール、日本酒、焼酎など。
自治会の集まりというと、話し合いより飲み会の様相を呈していた感じ。
何かと理由をつけて集まって飲んで楽しむ。
飲み始めると喫煙もセットで、部屋の中が煙で真っ白になるぐらい皆んなよく煙草を吸っていた。
一人か二人でゆっくり楽しむ派の人は、風呂上がりに縁側に出て、好きなおつまみと一緒にビールとかお酒の時間。煙草好きな人は煙草も。
この頃は縁側がある家が多かったから、夏には蚊取り線香を焚いて夕涼み。今ほど暑くなかったし。
田舎の場合は、外で飲む習慣はあまり無い。
駅前まで行かないとそういうお店も無かったし、駅まで10キロ20キロの距離があってバスが一日に二本ぐらいしか無い田舎だと、夜中に家に帰るのも大変だから。
飲酒運転に関しては今よりずっと甘かったから、飲みに行ってその辺に車止めて・・・ということもあったけど。
それでも田舎の場合は、夕方6時を過ぎたら真っ暗で誰も居ないし、車もほとんど通らないから大して危なくもなかった。
事故というと運転を誤って田んぼに突っ込んだとか、そういうのしか聞かなかったし。
社会人になって街に出てからの事を思い出してみると、スナックやクラブが多くて夜の街は賑わっていた。
ちょうどバブルの全盛期だったので、普通に働いてるだけで給料は良くてお金に余裕のある人が多かった時代。
私は、丁稚奉公的な感じの住み込みで職人の仕事をしていたので、景気がいいと聞いても「そうなのかなあ」という感じで実感無かったけど。
週末だけ夜のバイトに出るようになって、なるほど世の中景気がいいんだと初めて知った。
派手にお金を使う人が多くて、特に不動産関係のお仕事のお客様は羽振りが良かった。
この頃のクラブは一人で来て座って30分居ただけで3万円近い料金は当たり前で、さらに数万円のボトルをキープしたり。
そういうお金の使い方が出来る人が普通に沢山居た時代。
夜の街では、帰りはタクシーがつかまらなくて朝まで待たないといけないこともよくあるような時代だった。
お店でも、お酒とタバコはセットという感じ。
飲む量も多かったし、タバコの量も多かった。
お客さん達は、朝まで飲んで陽気に騒いで帰っていく。
これでは体に悪かろうと思われるかも知れないけど、案外そんなこともなく元気がある人が多かった。
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