七章 ウソつきはそっちだ!
ニーニョとその仲間たちが駈けてきた。すぐ目の前で立ちどまり、ニーニョを中心に横一列に並ぶ。エルたちもそれに対抗してエルを中心に横一列に並んだ。その
まるで戦争前の
最初に声をあげたのはニーニョだった。
「ふん。またサボりかよ、エル。そんなことじゃろくなおとなになれないぞ」
「そう言うあんたこそ、こんなところでなにしてるのよ。先生に叱られてママのオッパイでも吸いに帰るの?」
「ふん。言ってろよ、
「
エルは思いきり、叫んだ。その声にニーニョは顔を真っ赤にして怒鳴り返した。
「誰が
「魔王エーバントニアと一緒に戦ったのはダナ家の
「
「なら、そのおとなたちが
エルはあざけるように言った。でも、『レットウシュゾク』なんていう言葉の意味がわかって言っているわけではない。ただ、父親がよく『ミレシア家の
「レットウシュゾクだと⁉」
言われてニーニョは頭から
「レットウシュゾクって、なんのことだ⁉」
「知らないわよ! でも、お父さまがいつもそう言ってるわ!」
と、エル。悪びれるどころかいばっている。
「
「誰が
「父さんがよく言ってるぞ。『ダナ家の連中は
「あんたたちレットウシュゾクがそんなことを言うなんて許さないわよ! 取り消しなさい!」
「ふん。事実じゃないか。魔王エーバントニアと一緒に戦ったのはミレシア家の
「
「
「レットウシュゾク!」
言い合うほどに相手に対する怒りと敵意は増していき、どんどんエスカレートしていく。敵意がふたつの目から
リーダーふたりの激しい言い争いに他の子供たちも
「
「やっちまえ!」
と、拳を振りあげて叫び合う。なかにはすでに石をひろい、投げつけてやろうと
「ふん、まあいいさ」
ひとしきり叫び合ったあと、ニーニョがふいにそう言った。
急に態度がかわったのでエルは
「なによ、急に。自分のまちがいを認めたわけ?」
まさか、と、ニーニョは
「こんな言い合いをしてたって意味はないってことさ。もっとはっきりと
「
「そうさ」
と、ニーニョは
「《バロアの丘》に行くんだ」
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