③
ちーちゃんや仲のいい子たちに合コンをセッティングして貰っても、全戦全敗。
連絡先を交換しても、何回かのメッセージのやり取りがいいところで、既読スルーする人もいる。
中にはブロックまでする人もいて……。
高校二年が終わる頃には、『諦め』というスキルを身に着けた。
「間に合ったぁぁ~~っ」
「
「マーくんに朝から絡まれて」
「またお泊りしたの?」
「来週、ゼミの合宿で会えないってうるさくて」
階段を駆け上がって来たもう一人の親友、
身長164㎝、体重43kg、B89、W58、H88のダイナマイトボディの持ち主で、性格は頼りになる姉御肌。
大学生の彼氏がいて、彼女もリア充さん。
咲良にベタ惚れで、頻繁にお泊りをおねだりするらしい。
咲良の両親は離婚していて、今は母親と二人暮らし。
しかも、その母親は某会社の社長さんで、出張が多く家を頻繁に空ける。
一人で留守番をする事も多い彼女は、料理の腕がピカイチ。
よく焼き菓子を作って来てくれる。
この二人と肩を並べると、ますます卑屈になる。
せめて、妄想の中だけでもイケメンに恋したいと、少女漫画やイケメン育成アプリにハマり……最近の癒しは二次元の世界。
視線の先にいる男子高生のように、妄想で日々支えられているようなものだ。
「あっっっつ~~いっ!シャワー浴びて来たのに、今すぐシャワー浴びたいっっ」
「さっちゃん、下着見えちゃうよっ」
「あーいいよ、見たけりゃ見れば」
「え……」
汗ばむのが気持ち悪い咲良は、短いスカートをパタパタと煽ぐ。
色気と反比例して、男前な性格でもあるのだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます