合格か?

「うわっ、みんな、もう見に来てるよー」

「うわっ、みんな、きゃーきゃー言ってる...」


「どれどれ?合格してるかな?」

「してる...かな?」


「50音順に合格者の名前、載ってるから、志伊良ゆうなと、白熊あやなは、名前、並んで載ってるはずさ~」

「そうさ~、載ってるはずさ~」


「おおーっ、志伊良ゆうなっ!うちの名前、載ってるー」

「その下に、白熊あやなは...あれ?えっ?載ってない?...載ってないよー?うちの名前ー」


「えっ?あやなっちー」

「うわっ、うそ...ゆうなっちだけ?ゆうなっちだけなの?合格できたの...」


「えーっ、そんなー」

「うわ~ん、ゆうなっちといっしょに行きたかったよー」


「うわ~ん、うちも、あやなっちといっしょに行きたかったんだよー」

「うえーん、ごめんね、ゆうなっち...」


「えーっ、どうしよう?ひとりで行くなんて...あやなっちと行けないんじゃ、やめようかなー?ひとりで行ってもなー」

「えーっ、そんなー。ゆうなっち、せっかく合格したんだから、ひとりでも行ってくるべきだよー。行けるだけの実力あるんだからー」


「そうかなあ?」

「そうだよー」


「でもなあ...やっぱり、あやなっちといっしょに行きたかったさー!」

「うちもだよー」


「あ、待って待って...いちばん下、見てーっ!!」

「えっ?いちばん下?」


「『次の者は、10時間英会話の特別授業を受ければ合格とする』って、書いてある...」

「えっ?どれ?...うわっ、ほんとだ」


「あーっ!あやなっちー!あやなっちの名前、そこに書いてあるー!」

「えーっ、てことは...」


「あやなっちも10時間、英会話の特別授業を受ければ合格ってことだーっ!」

「えーっ?ってことはー?」


「あやなっちといっしょに行けるさー!」

「うわっ、ほんとー?」


「ほんとだよー!あやなっちといっしょに行けるんだよー!」

「うわー!よかったー」


「10時間、英会話の特別授業、受けないと...」

「受けるよー!受けて、ゆうなっちといっしょに行くんだよーーっ!夏休みサンフランシスコ留学ー!」


「「やったあああ!!」」


「「よかったあああ!!」」

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