第2話
…………あれは5年前、つまり3歳のころ。
つまり、おれの肌がまだピチピチだった頃の話だ。
当時、凄まじくモテていた俺は自分から話しかけるという状況はなかった。大抵3歳のくせにませてる幼女たちが俺のところに群がってきていたのだ。
何故か血走った目をした先生もそこに混ざってた。
全員が全員、目をハートにして俺に話しかけてくるのだ!
「ねーねー太郎くん♡こんどお、私と遊びに行かない?」
「そんなブスより私と遊んだ方が絶対楽しいわ!イイこともできるかも…♡」
「なによ!たろうくん!私と遊びに行きたいよね!」
「たろうくんは私のものよ!」
「いいや!私のものよ!」
この子達は本当に3歳なのだろうか。
も、もしかしてこれは……親の英才教育?!
だから◯ロいこと知ってんのか!!なるほど、侮れねえ…。
「ンッフッフッフッフ…!全く、これだからちびっ子どもは、大人♡のやり方を知らないみたいね」
「「「「先生!!!!」」」」
「ほらぁ♡太郎くん♡幼稚園が終わったらお姉さんとイイことしない?」
「あの先生、それって確か犯罪だったはずじゃ……」
「そ、そうだったかしらね〜?」
確かこの世界ではショタ保護法という法律があったはずだ。
読んで字の如く、ショタが近年自称お姉さん達に食われまくって、被害が凄まじいのだ。
その解決策として、ショタに声をかけるお姉さんを見かけた時には警察に通報するように勧告されている。
Yes!ショタ!No!Touch!というスローガンを政府は一昔前に掲げていた。
それでいいのか日本政府よ。
「先生!これは立派な犯罪よ!警察に通報するわよ!」
俺と先生が話してる間に、ロリが警察に通報していた。いやなんでスマホ持ってんねん。
「こ、この私を脅してタダですむとは思わないことよ!!」
「ふん!先生だって私達が通報しまくったお陰で犯罪者予備軍になってるらしいじゃない!巷では「ショタ喰い」って呼ばれてるらしいわよ!!」
「んな?!食べてすらないのにそんなこと…!私にその名は相応しくないわ…!」
「いやもうどうなったんねん」
今俺の前では大の大人がロリ達に通報されようとしている。何を言ってるのかわからねえと思うが、俺も何を言っているのかわからない。
俺のグレートな脳でも処理できないって相当だぞ…!
あと先生犯罪者予備軍ってマ?
話したあとにいなくなったことが何回もあったけどそういうこと?
3歳児に通報される大人……。もう終わりだよこの国。
こういうチヤホヤされる日常が幼稚園の頃からずーーっと続き、俺はすっかり王子様気分になり、
ハッピーハッピーハアッピーになっていた。そりゃそうだ。褒めてばかりじゃあ人は成長できない。
そのことにまだ気づいてなかった俺は特に鍛えもせず、図書館にもいかず、グータラと過ごして5年間。
そして、今は綾瀬遥に好きになってもらうと目標を立たところだ。
もしかしたら、神様(ハゲジジイ)がいい加減目を冷ませと起こしてくれたのかもしれない。
ここで気づかなかったら自分を甘やかし続ける人生を送っていたかもしれない。
だが、目標ができた!あの生意気な!変わった!チンチクリンな超可愛い子、綾瀬遥に好きになってもらうという目標が…!
ひとまず!
「マッマ!これ買って!」
「100円以上のものは買っちゃだめです!」
お菓子を買おう!!
大丈夫!明日から!明日からやるから!
———
面白いな!もっと読みたいな!という方は☆と高評価をお願いします。
あと、もしよろしければ、『とあるSランク探索者の日常』も読んでほしいです。一応代表作なので。
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