男女比10対1の貞操逆転世界に転生したけど図書館で出会った子に恋したので努力して振り向いてもらいます

カイドウ

第1話



俺の名前は 堺太郎


今の俺は8歳だ。

——なんで、8歳なのに知的な雰囲気を感じるのかって?

フッ、それを聞いちまうか…



なんということはない、ただ、トラックに轢かれて転生、略してトラ転しただけだ。



信号を歩いてただけなのにトラックに轢かれるというテンプレ万歳な状況になり、目を開けたら神様名乗る奴に話が勝手に勧められていき、この世界に転生してきた。



だが、生まれた時の頃はさほど地球とは変わってないという印象だったので、がっかりしたが、3歳になってパッパとマッマと一緒にテレビをみた時に、とんでもない情報が俺の頭に入ってきた。その内容は…


『男女比1対10』


『毎年男性の人数が減ってきている』




はにゃ?



………よっしゃああああああああ!!



そういうシチュエーションに憧れていた俺のグレートな脳は直ぐにこの世界の状況を理解できた。つまり神はハーレムを築けと!

理解できた。



そして、ハーレムを築き上げるという妄想をしながら5年がたった。幼稚園でもモテモテになっていた俺はすっかり有頂天。



この世界ちょろすぎwww



そして、とある日常の朝、運命的な出会いをしたのである。




パッパとマッマが

「図書館に行きましょう」


と言ってきたのだ。



図書館は前世でも知識を得るために使っていたので好きだった。

だから、俺はパッパとマッマと一緒に図書館へ行ったのだが……



幼児コーナーと書かれているスペースにめちゃめちゃ可愛い子が座っていたのだ!!



透き通るような肌に白魚のような細い指、太陽の光で輝く黒髪にくりくりっとした丸い目、そして、顔がむちゃくちゃ可愛い。



よし、声をかけよう。



「ねえねえ!その本何よんでるの?」


「ん……。あなただあれ?」


あ、自己紹介忘れてた。


「僕の名前は堺太郎だよ!君の名前は?」


「私の名前は綾瀬遥」


「よろしくね!」


「よろしく…」


俺は今めちゃめちゃ驚いてる。

今まで俺が話しかけてきた女の子は全員目にハートを浮かべて肉食獣みたいになっていたのに…!

こ、こいつは俺を、を見ても何にも思ってねえ!



「ね、ねえ、僕のことを見ても何にも思わないの?」


「…?何にも思わないよ?」


「そ、その、かっこいいなとか!」


「思わないわ。だってカッコよくないもの」



かっこよくないもの…かっこよくないもの…かっこよくないもの…


— 頭の中で俺にとって残酷な言葉が繰り返されてゆく…


この世界に生まれて8年、一度もかっこよくないなんて言われたことはなかった。皆が皆、俺のことをかっこいいといい。俺はそれが当たり前だと今、この瞬間まで思っていた。


だが、俺はこの瞬間に心が折れ、その認識が変わっていくのを感じた。


——俺は、俺は、かっこよくない……


じゃあもしかっこよくなったら、振り向いてもらえるのか?



決めた。この女、綾瀬遥に俺のことを好きになってもらう!!!!



———こうして、俺の人生の中で最も苦労した最初で最後の恋愛戦が始まったのである-----






———



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