12話.グループRINE:ダンジョン(7)

闇夜

『おいおい、なんか荒れてるぞ』


奈落

『誰かが、やりおったか』


呪妖

『あれってゲートっすよね?誰かが開いたってことすか?』


闇夜

『だな、ここの誰かならいいんだが』


奈落

『ありゃ完全に油断してるところを狙っておったな』


蜃気楼

『だとしても変ですよ、攻撃しようとはしてたと思いますし』


闇夜

『そこなんだよ。確かに忍野勇斗は攻撃しようとした、だが結果的にすることはなかった』


奈落

『ありゃおそらくなんかの能力じゃ』


初心者

『あーすまん。今仲間から連絡が入った』


奈落

『ん?なんじゃ?』


闇夜

『あーなんか分かった気がする』


初心者

『そいつ曰く、「なんか忍野勇斗に親しい人間を上手いこと捕まえることに成功したから書き出したい情報とかあるか聞いてくれ」とのこと』


闇夜

『やっぱそうなるか』


奈落

『有能というのか、無鉄砲というのか』


蜃気楼

『でもすごいですよ、私なんてあんな人間に自分から手出そうなんて微塵も思いませんから』


正義

『同じく』


初心者

『で、何聞けばいいんだ?』


奈落

『奴の生い立ちを聞きたいのぅ。強さの秘密があるやもしれん』


初心者

『あるあるだな、でも大事なことだな』


闇夜

『俺が聞きたいことはそうだな、なんのスキル使ってるのか、だな。予想ではただの身体能力お化けと見てるけど実際はどうなのか知っておきたい』


初心者

『なるほど、それはこれから対峙するにあたって結構重要なことだな』


蜃気楼

『私たちも、敵の能力を知らないで戦うのと知って戦うのでは結構違いますからね』


呪妖

『俺は普通に、どこのダンジョンにいたのか気になりますっすね』


初心者

『確かに、あの強さならどこかのダンジョンで鍛えたのだろうがどこか知らなかった。そこに奴の強さの秘密があるかもしれない』


闇夜

『これぐらいじゃない?尋問したい情報』


正義

『あ、あの、俺も一ついいすか』


初心者

『いいぞ?』


正義

『女性関係を聞いておきたいです』


初心者

『んん?』


正義

『あ、いや変な意味じゃないっす。ただもし愛人とかいたらほら、弱点になるじゃないすか』


初心者

『あー、賢いな』


闇夜

『血迷ったのかと思った』


蜃気楼

『正義って名前なのに流石に変な趣旨の質問やばいですよw』


奈落

『でも重要なことじゃのぅ。時に愛人は自らの命を賭してまで救いたくなるものじゃ』


初心者

『おっけ、じゃあこの4つ今仲間に伝えたらからまた答え合わせするわ』


蜃気楼

『はーい、了解しました』


奈落

『あと卵じゃが、あれはダンジョンの中でないと孵化はせん。そこは安心せい』


初心者

『ほーん、知らなかった。じゃあなバイバイ』


闇夜

『待て待て、まだ聞きたいことがある』


奈落

『そうじゃ、人間ではなくデイノ、お主にの』


初心者

『え?なになに怖いんだけど』


闇夜

『お前が今伝えた仲間、それの正体だ』


初心者

『あー、それか』


奈落

『ワシも同じことじゃ』


呪妖

『俺も知りたいっす』


邪腹

『俺もー』


正義

『そういえばそんな馬鹿げた存在がいましたね』


初心者

『えぇー、言うの?てかネークお前いたのかよ。てっきり怖くなって逃げたのかと思った』


邪腹

『失礼な!そこまで性格悪くないっすよ』


初心者

『多少は悪そうな言い方だな』


奈落

『おい、いい感じに話をそらそうするのではない!』


闇夜

『そうだそうだー、聞くまでこの話終わらないぞー』


初心者

『でもあいつ、あんまり自分から関わろうとしないから嫌なのかもしれないんだよ』


闇夜

『お前んとこの連中、めっちゃ強いってこと以外は俺何も知らんのだが』


奈落

『ワシも知らんのぅ。ワシらの仲間は知ってるくせに』


蜃気楼

『私も知らないです。いい加減詳しく話してください』


初心者

『じゃあ、ちょっとだけなら』


闇夜

『まぁ、ちょっとでも知らないよりマシか』


初心者

『まぁ事前情報として、今回の案件を起こした張本人はまぁ、強いよ多分』


奈落

『多分ってなんじゃ多分って。それに強いことぐらい知っとるわい』


正義

『はっきりしてくださいよー』


初心者

『俺もちゃんと戦ってるとこ知らないんだよ、ただそいつはワンチャン、俺より長く自我持ちやってる』


闇夜

『はぁ?なんでそんなのが今まで出てきてないんだよ』


奈落

『つまりワシらと同期になるということか』


蜃気楼

『それは強いですよ、御三方と同期なんてそんな大物が何故今まで出てこなかったんでしょう』


邪腹

『デイノさんがいたからそっちばっかり目立ったんじゃないすか?』


闇夜

『そうだろうなぁ』


初心者

『俺からそいつに関して言えるのはあと一つだけだ』


闇夜

『あと一つ⁉︎もっと言えよ』


奈落

『そうじゃ、もっと言わんかい』


初心者

『だって、俺もちゃんと知らないんだもん』


呪妖

『めちゃくちゃ長い時間一緒にいるのに、すか?』


初心者

『ああ、単純な戦闘を見たことがない。ただそいつの戦闘を見た別の仲間はそいつがいれば安心って言ってた』


正義

『それ確定でめちゃ強じゃないすか』


初心者

『それで最後の情報だが、そいつは不死身だ』


闇夜

『はぁ?そりゃ大問題だろ』


奈落

『大問題じゃな、しかもそやつの条件によっては一生恨むぞ』


蜃気楼

『いや流石に不死身隠し持ってるのはヤバいですよデイノさん』


邪腹

『つまり今発見されてる段階で1体、それに1体加わって2体すか』


奈落

『して、その条件は』


初心者

『いや、流石に個人情報なんで言えないがそうだな、俺が知る中ではまぁ1、2を争うぐらい厄介かな』


闇夜

『つまり俺と同レベルってことか』


初心者

『ん?そうそう』


奈落

『それはまた、とんでもないのが出てきたのぅ』


蜃気楼

『まぁそんな方ならやってもおかしくはないですかね』


奈落

『だとしてもなぜ攻撃しなかったのかが謎じゃ』


初心者

『あれに関しては俺も知らん。多分そいつの能力だが』


闇夜

『デイノ、お前頼むから他にやばいのは隠し持ってないよな』


初心者

『まぁ。ないかな』


奈落

『怪しいが、まあよしとするかのぅ』





 






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