魔法少女と初体験をして……
時刻は17時を過ぎた――学校から帰宅した夏希がいきなり俺に話しかけてきた。彼女は目を輝かせながら口を開く。
「隼人! 一緒にお風呂に入らない!?」
「えっ……?」
俺は突然の彼女の提案に驚きを隠せなかった。しかし、彼女が冗談で言っているわけではないことはその表情を見れば分かる。だが、ここで簡単にOKを出すわけにはいかないのだ。なぜなら、俺の理性が持つか不安だからだ。俺はゆっくりと深呼吸した後、口を開いた。
「分かった……」
俺がそう答えると、彼女は嬉しそうな表情を浮かべた。そして、俺の手を掴むと浴室へと引っ張っていく。脱衣所で服を脱ぐと、俺たちは浴室の中へと入った。
「じゃあ……まずは背中流してあげるわね!」
夏希はそう言うと、俺の背中をゴシゴシと洗い始めた。
(これはこれで気持ちいいな)
そんなことを思いながらしばらくされるがままになっていると――今度は前の方を洗い出した。
「ちょっと待て! 前は自分で洗うから!」
俺は慌ててそう言うと、夏希は残念そうにしながらも納得してくれたようで引き下がった。その後――二人で湯船に浸かっていると、夏希が突然話しかけてきた。
「ねぇ……隼人……」
「ん? どうした?」
俺がそう聞き返すと、彼女はモジモジしながら答えた。
「その……私達って恋人同士よね?」
「ああ……そうだけど……」
俺が答えると、夏希は顔を真っ赤にしながら言葉を続けた。
「だから……その……キスしてもいいわよね?」
俺はその問いにしばらく悩んだ後――静かに頷いた。すると、彼女は嬉しそうな表情を浮かべながら唇を重ねてきた。そのまま舌を絡ませるような濃厚なキスをする。お互いの唾液を交換しあうような激しいディープなものだった。しばらくしてから唇を離すと、銀色の糸を引く。夏希は蕩けた表情で俺を見つめていた。そんな彼女を見ていると愛おしさが込み上げてきてしまう。
俺は彼女を抱きしめると、耳元で囁いた。
「夏希……好きだ……」
「私たち、元々は敵同士だったのにね」
「ああ、そうだな」
俺はそう答えると、夏希の胸を揉み始めた。彼女は甘い吐息を漏らす。そして――俺たちは再び唇を重ね合わせた。そのまましばらくお互いの身体を愛撫し続ける。
その後、俺たちは風呂を出て、夏希はソファーで横になると、両手を広げて俺を誘うようなポーズを取る。そんな彼女を見て、俺の理性は完全に崩壊した。獣のように激しく彼女を求め始める。行為が終わると、夏希は幸せそうな表情を浮かべていた。俺もまた同じ気持ちだ。こうして俺と彼女は一線を超えたのだった――。
それから数十分後、妹の冬香ちゃんが疲弊した表情で帰ってきた。そして、ソファーに座ってぐったりしている。どうやらかなり疲れているようだ。俺は冬香ちゃんに話しかけることにした。
「お疲れさん」
「お兄ちゃん……」
冬香ちゃんは疲れきった声で返事をする。
「お姉ちゃん、お腹空いた~」
「今、作ってるから待ってなさい」
夏希はそう言いながらキッチンで料理を作っている。しばらくすると、美味しそうな匂いが漂ってくる。そして――数分後にはテーブルの上にたくさんの料理が並べられていた。どれもこれも美味そうだ。俺は早速箸を手に取ると、食事を始めた。うん、やっぱり美味しい! そんな俺を羨ましそうに見つめる冬香ちゃんの姿が目に入ったので、俺は彼女に声をかけることにした。
「どうかした?」
「お姉ちゃんの料理をこんなにも美味しく食べているお兄ちゃんって凄いな~って思って……」
「そうか?」
俺がそう答えると、夏希が会話に入ってくる。
「ええ、そうよ! 隼人は凄いんだから!」
(いや……別に普通だと思うけどな)
そんなことを思いながらも食事を続ける俺であった。
食事を終えた後――俺たちはリビングでくつろいでいた。すると突然、俺のスマホが鳴り出す。画面を見ると、そこには『悪の組織』という文字が表示されていた。
俺は電話に出ることにした。
「もしもし……」
「ボス! 私です」
電話越しに聞こえてくるのは、女性の声なのだが……。
「えーと……誰?」
「私のことを覚えていないなんて、酷すぎます!」
「いや、悪気があって言ってるわけじゃないんだ。本当に……マジで誰なのか分からないんだよ」
「悪の組織の幹部、イレイラですよ!」
(……マジで誰だか分からねぇ)
「まあ、これからはまともな人生歩めよ」
「まともな人生歩めよではなくて、ボスに――」
俺は通話を切って、スマホをズボンのポケットに入れた。そして、小さくため息をつく。すると、夏希が話しかけてきた。
「隼人、どうかしたの?」
「いや、なんでもない……」
俺はそう答えると、再びテレビに目を向けた。しばらくした後、そろそろ寝る時間になったので、夏希と共に部屋に向かうことにした。
「なあ、夏希……」
「何?」
「その……今日も一緒に寝ても大丈夫か?」
俺がそう尋ねると、彼女は少し頬を赤らめながらも答えてくれた。
「もちろんいいわよ……」
そして――俺たちはベッドに入った。俺は夏希の身体を抱き寄せると、そのまま唇を奪う。舌を絡ませるような濃厚なディープキスを交わしてから離れると、夏希は蕩けた表情を浮かべていた。俺はそんな彼女の耳元で囁いた。
「大好きだ……」
すると、彼女は嬉しそうな声で言った。
「私もよ……隼人……」
そして、俺たちは再び唇を重ね合わせたのだった――。
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