魔法少女とファーストキスをして……

「じゃあ、早速だけど……キスしてみないか?」


 俺はそう提案した。すると、彼女は顔を真っ赤にして口を開く。


「はぁぁあああ!?  なんでいきなりそんなこと言うのよ! この変態!」

「だって俺たち恋人同士だろ? なら、キスくらいしてもいいじゃ~ん」


(いや~、マジで美少女と付き合えるなんて夢みたいだぜ!)


 俺が心の中でそう思っていると、魔法少女が話しかけてきた。


「そっ……それはそうだけど……」

「もしかして……俺とキスするの嫌なのか? 嫌なら無理強いはしないけど……」

「嫌じゃない!  むしろ……その……し、したいかも……」


(おいおい、マジか!?)


 俺は心の中でそう思った。そして、意を決して彼女に顔を近づける。

 すると、彼女は目を瞑った。俺はゆっくりと彼女の唇にキスをする――。


「……んっ」


 魔法少女は甘い声を漏らす。俺は唇を離してから口を開いた。


「どう?」

「どうって……なんというか……その……凄かったわ」

「そうか……。そういえば名前、なんて言うんだ?」


(この子の名前はアニメを観ていたから知ってるけど……一応聞いておこう)


四宮夏希しのみやなつきよ……」

「夏希か。いい名前だな」


 俺はそう言って、再び彼女の唇を奪った。


「んむっ!?」

「……ぷはっ!  もう、いきなり何するのよ!」

「ごめん、つい可愛くて……」

「そっ……そんなこと言われても嬉しくないんだからね!」


(ツンデレ~!)


 俺は心の中でそう呟いた。すると、彼女は口を開く。


「ねえ、あなたの名前は?」

「俺か? 俺の名前は……市原隼人だ」

「ふーん……そうなんだ。じゃあ、これからは隼人って呼ばせてもらおうかしら」

「ああ、いいぜ。俺も夏希って呼ぶよ」


 俺たちはお互いの名前を呼び合った。そして、再びキスをする――俺と夏希はお互いの舌を絡ませあうようなキスを続ける。しばらくすると、夏希が唇を離してきた。彼女の目は蕩けているように見える。


(エロ可愛い~!)


 俺は心の中でそう呟いた後、彼女に声をかける。


「なあ、夏希の家に住ませてくれないか?」

「……はあ!? 隼人、あんた……自分が何を言っているのか分かってる!?」

「ああ、分かってるぞ」

「じゃあ、なんでそんなことを言い出したのよ!」


 夏希は顔を真っ赤にしながらそう叫ぶ。俺はそんな彼女の耳元で囁くように口を開いた。


「だって……俺たち恋人同士だろ」

「そっ……それはそうだけど……」


 彼女は恥ずかしそうにしている。そして、小さな声で呟いた。


「分かったわよ……」


 と――俺たちは手を繋いで夏希の家まで歩いていた。


「なあ、夏希……」

「何よ?」

「俺たち付き合ってるんだよな?」


 俺はそう尋ねる。すると、彼女は顔を赤くしながら口を開く。


「そっ……そうよ! 文句あるの!?」


(照れてる~!)


 俺は心の中で叫ぶ。そして、彼女に話しかけた。


「いや、全然問題ないけど……夏希は俺のこと好きなのか?」


 俺がそう尋ねると、彼女はさらに顔を赤くして――小さく呟くように答える。


「好きよ……」

「えっ……。小さい声だから何て言ったか聞こえなかったな~!」


 俺はそう言って、彼女の耳元で囁く。


「もう一度言ってくれないか?」


 と尋ねた。すると、彼女は顔を真っ赤にしながら口を開いた。


「す……好きよ……」

「もっと大きい声で!」


 俺がそう言うと、彼女は顔を真っ赤にしながらも叫ぶように答える。


「……大好きよ!これで満足かしら!?」


(ツンデレ可愛い~!)


 俺は心の中で叫んだ後、彼女に声をかける。


「俺も夏希のことが好きだぞ~!」

「そっ……そんなこと分かってるわよ!」


 そんなやり取りをしているうちに、夏希の家に到着した。


「ここが私の家よ」


 そう言って彼女は扉を開ける――俺は彼女に続いて中に入った。すると、そこには可愛らしい少女が立っている。


「お姉ちゃん、お帰り~! ……って誰!?」


(夏希の妹……四宮冬香しのみやとうかか)


 俺は心の中でそう呟くと、夏希は口を開く。


「えっと……この人は……私の彼氏よ!」

「えっ!?  お姉ちゃんに彼氏ができたの!?  やったー!  おめでとう!」「あ……ありがとう……?」


(妹はツンデレじゃないんだよな……)


 俺は心の中でそう思うと、口を開く。


「初めまして、夏希の彼氏の市原隼人です」

「私は四宮冬香! よろしくね!」


 そう言って冬香ちゃんは俺に手を差し出してくる。俺はその手を掴んで握手をした。そして、冬香ちゃんは俺に向かって話しかけてくる。


「ねえ、お兄ちゃんって呼んでいい?」

「もちろん! いいよ!」


 俺がそう言うと、冬香ちゃんは嬉しそうな表情を浮かべる。


「やったー!  ありがと、お兄ちゃん!」


 そして、冬香ちゃんは俺に向かって抱きついてきた。俺はそんな冬香ちゃんの頭を撫でる。すると、冬香ちゃんは気持ち良さそうな声を出す。


(夏希の妹も可愛いな~)


 俺がそう思っていると、夏希が話しかけてきた。


「ちょっと……いつまで私の妹を甘やかしてるのよ!」

「ごっ……ごめん!」


(嫉妬してる夏希もめっちゃ可愛い~!)


 俺は心の中でそう呟くと、夏希は口を開く。


「隼人!  わ……私も……抱きしめてほしいんだけど……」

「了解!」


 俺はそう言うと、夏希を抱きしめた。すると、彼女は俺の胸に顔を埋めてくる。そんな彼女の頭を優しく撫でて、しばらく抱き合った後――俺たちは離れた。冬香ちゃんはそんな俺たちをニヤニヤとした表情で見ている。


「お姉ちゃんたちラブラブだね!」

「まあな……」


 俺がそう答えると、夏希は顔を真っ赤にしながら口を開く。


「そっ……そんなことないわよ! ねえ? 隼人!」

「……」


 俺が黙っていると、冬香ちゃんは更にニヤニヤとした表情で口を開く。


「お姉ちゃんたち結婚するの?」

「もう! 冬香は黙ってて!」


 そんなやり取りをしてから、俺たちは靴を脱いでリビングへと向かったのだった――。

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