後編:「三角錐の罠」

純也は連日続く奇妙な小包と夢の関連性を確信し、真実を突き止める決意を固めた。彼は図書館やインターネットで調査を始め、翡翠に関する情報を集めた。ある日、古い図書館で翡翠に関する古文書を見つけ、そこには「翡翠の三角錐は破壊の印」と記されていた。


「破壊の印…」純也は愕然とした。自分が無意識に行っていた行為が、世界の破壊を引き起こしていたのだ。


彼は恐怖と絶望に苛まれたが、それでもこの連鎖を断ち切るための方法を見つけようとした。純也は再び警察に行き、証拠となる小包と資料を持参したが、やはり信じてもらえなかった。


絶望の中、彼は一人でこの謎を解決するしかないと決意した。次の小包が届いた時、彼はそれを開けずに捨てることにした。これ以上の破壊を防ぐため、彼は自分の手でこの連鎖を断ち切ることにしたのだ。


しかし、捨てる前に彼は最後の手がかりを見つけるために、封を開けないまま小包を慎重に調べた。すると、紙に描かれた模様の一部がわずかに変化していることに気づいた。彼はその模様を詳しく調べ、そこに隠されたメッセージを解読した。


「解読することで連鎖を止められるのか?」純也は希望を持ち、解読作業を進めた。メッセージは古代の言葉で書かれており、その意味は「破壊を止めるには、真実を知る者が石を破壊せよ」というものであった。


純也は最後の手段として、翡翠の三角錐を破壊することを決意した。彼はハンマーを手に取り、10個の三角錐を次々と叩き壊した。石が砕ける音が響く中、彼は祈るようにして破壊を続けた。


全ての石を破壊し終えた瞬間、純也の視界が急に暗くなり、彼は意識を失った。


目が覚めた時、純也は自分の部屋で目を覚ました。周囲を見回すと、翡翠の破片はなく、すべてが夢のように感じられた。しかし、ニュースを確認すると、世界の崩壊は止まっており、平和が戻っていた。


純也は安堵の息をつきながら、これが現実であることを実感した。彼の行動が世界を救ったのだ。翡翠の三角錐とそれにまつわる謎は消え去り、純也は再び平穏な日常に戻ることができた。


物語は、純也が自らの行動の恐ろしい真実を知り、それに立ち向かい、最終的に世界を救う姿で幕を閉じる。彼が経験したことは誰にも話さず、彼の心の中に秘められたままであった。

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三角錐 白鷺(楓賢) @bosanezaki92

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