第2話 授業参観の親の行為は子供に1番ダメージが行く
目が覚めると、俺は赤ちゃんだった。
俺は、福沢諭記雄が異世界転生した存在だ。
その認識はある。
確か、俺はこの異世界では大賢者だそうだ。
そして、憎しみがしっかりとある。
ユリウス・ガイウス・カエサル。
カエサルが召喚されて、現代にカエサルと互角にやり合える存在なんていなかった。
そりゃそうだ。
「産まれたわ」
「誰が」
「私の子供」
「それを誰が産んだのかしら」
「私よ」
「橘川 満里子が産んだのよ」
うぅん。
この頭の痛くなるような言葉を発してるのは、
この異世界での俺の母親だろうか。
あ、痛い。痛い痛い。
痛いよぉぉ。
なんかすっごい魂に刻まれた痛みがペインフル。
ファントムペインじゃない。
だって、この傷は今もこの魂に残ってるから。
うぁぁぁ!
授業参観だ。
この感じ。
前世か。今までの俺の魂に刻まれてるぜっ!
授業参観でやらかした母親の行為とは、
誰よりも子供にダメージが行くものなのだ。
「見ればわかるよ」
「君の子供さ満里子」
なんだろう。
隣に立っていた背の高く痩せた男が、凄くむかつく。
この状況からするに、お前は誰なんだ。
お前の子供じゃないのだろうか。
なんだか凄く苛立つぜ!
「私の子供ではないわ」
「私達の子供よ順司」
この発言は、この母親であろう女が正しい。
きっと、あの痩せた背の高い男は、俺のこの異世界での父親だろう。
なんか、凄くむかつく感じがしてるんだぜっ!
「ああ、そうだったな」
「何せ始めての事だ」
初めてでもそうはならんやろ。
妻の出産に立ち合い、妻が出産し、自分の子供ではないと思うなら。
それは妻を疑っているのだろうか。
「そんなにまくしたてないでくれ」
「まくしたててないわ」
だめだ。この夫婦の会話をまともに聴いてたら異世界転生早々に脳がブレイクされてしまう。
これじゃ、今までと同じだ。
これじゃ何も変わらない。
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