第7話 キス?

マジ?それは?


【るいさん、冷静になって】


【冷静だよ。本気で言ってるのに…】


うっ…それはもちろん嬉しいけど。


約束は?この時間軸だけの彼氏彼女の関係。


 ここは、どうしたら?るいさんも顔あげてくれない。困ったぞ。とても困ったぞ。


よし、ここは!!


後ろから抱きしめて、そっと。



ドキドキ💓ドキドキ💓



行くぞーーーーーー!!!!!



ん?なんだこれ?


【やーい、騙されてやんの!!】



何これ?顔になんかつけた?



【ぎゃー😱】!!フナムシ!!!


いてて!!しかも噛んできやがった!!!



【ルイさん,取って!!ぎゃー😱ぎゃー😱】



るいさん、笑ってないで、これ苦手!!



【ほら、落ち着いて、取るから。ちょっと暴れ過ぎ。取れないじゃん。ん?落ちた?】



落ちた?どこに?



ぎゃー😱シャツの中に入った!!


【今度シャツの中だってば!!ぎゃー😱取って取って】


俺はシャツを脱ぎ、慌てふためいて、


るいさんは、ぼそっと、


【ギャハハ!!貧相な体、落ちた?】


今度こそ落ちた?


もそもそ…何?もそもそする…



ぎゃー😱、なんて場所に??


入ってはならない場所に!!


【これ噛むから。取って!!取って!!るいさん!!】


るいさん、後ろ向いてる場合じゃないだろ。


もう泣きそう😭泣いてるけど。


【取ってよ!!早く。ぎゃー😱また噛み…】


【そんなとこ入ったら取れるわけないじゃん!彼氏のでも無理〜自分で取ってよ】


そ、そんな、いてて!!噛んでる〜


【うぎゃー😱噛んでるって!!もう、嫌だ】


ん?


落ちたみたい。今度こそ落ちた。


うげ!!こんなにデカかったの?フナムシ?


【…なんか、疲れた、俺…】


【私も…でも、楽しかったね!!】


楽しくなーい!!!!!!!!!!!!!!!



ふふっ!


るいさんが笑って、つられて俺も笑った。


 ずっと、いろいろあって、こんなふうに笑えるのって久しぶり。


【ねー、フナムシって噛むの?気にしないで掴んじゃったけど】


【噛むよ。俺よく海行っていたけど、よく噛まれたよ。楽しんで遊んでるからあまり気にしなかっけど、今日のは結構痛かったよ】


【ごめんね。裕二😘】


 えっ!るいさんからキスを。でも、ほっぺたか…


【お詫びのキス。悪ふざけし過ぎたね】


そうか、お詫びだもんね。



………………………………………………………



【るいさん、ありがとう。久々に思いっきり笑えたよ。ここんとこ、美咲のことで思い詰めていて】


【うん!!いい笑顔。私もこんなに笑えたのは久しぶり。とにかく美咲ちゃんのお兄さん探そう。助かる可能性あるんでしょ?この海岸から見渡せば見つかるはず】


【近いといっても何日かの誤差あるだろうし、そう簡単には…あっ、あれ!!見つかったかも!!そこだ!!!】


ボートが海岸に。誰も乗っていない。


早くもみつけたってか!!本当に?


 俺達は走ってボートに近づいて、周りを見渡すと、誰もいない…そう簡単には見つからないな。それともこの島に上陸している可能性も。


【裕二、それ光ってない?そのペンダント】


 あっ、そうか。さきさんから借りているペンダント。もしかして、話せるのか?


【もしもしー、さきさんですか?】


※【もしもしーじゃないでしょ!!なんで通話を無視するのよ!!どれほど心配したか!!こっちは大事な用事で何度もかけてるのに】※





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