第4話 分岐
さきさんと俺は、レイジに説明して、というよりもお願いして、お客さんは任せることにした。今回はお客さんが多いからレイジは張り切ってる。なので、お願いもスムーズ。カッコつけたい年頃なんだろうな。
俺とさきさんが向かう場所はもちろん、洞窟最深部。
その周辺を調査しようと言うのだ。さきさんの案だけど。何かヒントになるものがあるかも知れない。消息を経った美咲のお兄さんの。
さきさんは入念に調べてる。
【何かないかな〜この島に来た痕跡とかね〜】
【さきさん、美咲のことも、いろいろ調べてますよね?】
【そりゃそうよ。るい以来の生粋ジャンパーかもしれないんだから】
ここで言うジャンパーとは、時間軸を自分の意思で移動できる能力者のことだ。知ってる限りでは、るいさんと美咲のみ。
美咲はコントロール出来ていないが、とんでもなく高いポテンシャルを秘めているようだ。
問題は後遺症。美咲は記憶に後遺症が残るようだ。その点、るいさんはそのようなことは無い。それだけ優れてるってこともあるが。
【裕二、来て!!急いで】
慌てふためく、さきさん。
向かうと、そこには…
時空の狭間に異変が!!何かの予兆なのか?
俺達は離れた場所で見ている。引き込まれたら能力者でないものはどこにジャンプするか解らない。
ただ、さほど遠くの未来や過去にジャンプすることはなさそう。経験からして、白亜紀とか、とんでもないことにはならないことは解ってる。でも、怖い。
未来か過去かそれも解らないからね。
【なんか、変じゃない?】
さきさんは知識あるだけに、違和感を感じてるようだ。確かに変だ。
【人がいる!!時空の狭間からて出来たんだ】
【じゃ、助けないと!!さきさん、届くか解らないけど、俺の脚をつかんで。目一杯手を伸ばしてみるから】
【気をつけて。抑えてるけど、無理しないで】
何とか届くか?無理か?
後少し…
【あっ!!】
しまった〜引っ張られる〜やっちまった〜
【さきさん、離して!!一緒に引っ張られる】
【駄目!!離さない。頑張って】
無理だろ、この力は。こーなったら、
【さきさん、ごめん!!】
【きゃあー!!!】
さきさんを蹴っ飛ばして、引き離した。
【裕二!!これ掴んで】
さきさんがリュックを投げてきて、
【解った!!】
うまくキャッチ出来た。ただ俺は時空の狭間に引き込まれていった。
ドシだな〜俺は…
経験してるのでさほど怖くない。
怖くはないのだが、未来や過去だけでなく平行世界だとしたら?それは厄介だ。
とりあえず、リュックを抱え込んで、身を任せるしかない。
俺は能力者じゃないしな。でも後遺症の残らないなんて、なんでだろ?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます