第20話:現世に帰ってきた遊星。

「冬、こたつ出しててさ、以前飼ってた猫がこたつの中に入って昼寝してたんだ 」

「で俺が屁をこいたら猫がコタツの中で失神してたことがあったな」

「いつまでたっても猫がでてこないからさ・・・で、おかしいと思って

コタツの中覗いたら中で猫が白目むいて倒れてたんだよ 」


「まさか俺の屁で失神してるなんて思わないだろ?」

「だからすぐに病院へ連れてったんだ 」


「そしたらさ、動物病院の医者が、ガス中毒ですってさ」

「まあ、命に別条はなかったけど、それ以来猫はコタツに入らなくなったな」


「うそ〜・・・遊星のオナラって毒ガスなの?・・・猫ちゃん可哀想〜」


「屁、したら罪になるって法律あったら俺、即逮捕されるよな、あはは 」


「笑い事じゃないから」

「お願いだから、まじでしないでよって言うか、私と順番変わって」


「いいじゃん、自分の彼氏の屁だよ・・・どうってことないでしょ」


「オナラなんかしたら恋人解消だからね」


「分かった・・・遊月ちゃん前行って・・・」


そんなことで揉めてるうちに女妊洞を抜けてデカい門のところまで出た。


「出たわよ、さっそくここで遊星くんを生き返らせましょ」


女妊洞を無事抜けた三人・・・さっそく死返玉まかるがえしのたま

を使って遊星を生き返らせることにした。


遊月は遊星に死返玉(まかるがえしのたま)を握らせておいて、から教えて

もらった呪文を遊星に教えた。


「いい?遊星、願いをこめてこう言うの」


「ふるべ ゆらゆらと ふるべ」


「分かった?・・・分かったら死返玉を握りしめたまま、そう唱えて」


「おい、遊星がいなくなったことが、さっそくバレたみたいだよ」

「鬼は探しにやてきたみたいだよ、早くして」


「遊月!!しっかり俺にしがみついてろよ・・・離れるな?」


「遊星、今言った呪文、間違わずに言って」


「ふるべ ゆらゆらと ふるべ」


遊星が遊月に添えてもらった呪文を唱えた。


すると遊星の体が光はじめた。

光は一瞬スパークすると、そこに遊星が倒れていた。


「アカルちゃん・・・遊星、大丈夫かな?」


「たぶんね・・・」


「もし生き返えらないまま現世に帰ったら魂のままで空中を浮遊するころになる

だけだから」


「鬼が来たぞ・・・わ〜何人いるのよ」

「最初の鬼は三日月丸で薙ぎはらうから、遊月は遊星と先に異界神獣鏡に飛び

込んで、いい?」


「分かった・・・遊星起きて・・・起きてってば」


そう言うと遊月は遊星のほっぺたを思い切りビンタした。


「いって〜・・・」


「目が覚めた・遊星・・・逃げるよ」


阿加流姫は攻めてきた鬼の最初のグループを三日月丸で真横に振るって一気に

なぎ払った。


「今のうちに行って!!」


アカルが鬼と戦ってる隙に遊月と遊星は異界神獣鏡で現世に帰ってきた。

帰ったところは遊星のマンションのリビングだった。


ふたりが帰ったあと、阿加流姫も鏡を持ってリビングに無事戻ってきた。


つづく。


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