第15話:よろしくねヨコチンさん。
「ねえ、おネエさん・・・よかったらお名前教えて?」
「私、
「あ〜ゆづきなひめ?・・・姫っていうくらいだから、お姫様?」
「あの、俺「
「はい、よろしくね、ヨコチンさん」
「ヨコチン?」
遊星はたまらず噴いた。
「あの・・・ゆづきなひめさん・・・横地です・・・ヨコチンじゃなくて」
「ヨコチンって・・・おまえにはぴったりなあだ名だよ」
「笑うな遊星」
「まあ、こういう子だから許せ・・・ヨコチン」
「おまえまで・・・ふたりして俺を馬鹿にして・・・」
「おまえらのこと学校中にバラすぞ」
「あ〜それはマズい・・・俺が女性と暮らしてるなんて学校に知れたら
大問題だからな・・・それにまだ未成年同士だし・・・」
「もし、少しでもチクったら、ヨコチンおまえ消すぞ」
「そんなこと、ヘタレのお前にできるわけないだろ」
「そんなこと簡単ですよヨコチンさん」
「いっぺん消えて見ます?・・・どこの世界に行きたいですか?」
「まだ言ってる・・・ヨコチンじゃないですって・・・」
しかたがないので遊星は遊月の個人情報を横地に話してやった。
横地は最初は信じられないって顔をしていたが、遊月が消えたり現れたりする
光景を見せられて、ありえないって思いながらでも信じるしかなかった。
「なるほど・・・そうなんだ、にわかには信じがたいけど姫巫女さんとか神霊
なんているんだ・・・知らなかった」
「にしても俺、これで遊星んちに来る楽しみ増えたわ」
「また来ますからね遊月ちゃん」
「来なくていいよ・・・遊月ちゃんは、おまえの彼女じゃなくて俺の彼女だからな」
「そんなの関係ないし・・・」
横地はなにを期待したのか、ニタニタ笑いながら振り返って遊月を見てから
帰って行った。
「あいつクチ軽いやつだからな、明日学校中に俺と遊月ちゃんのことが知れ渡って
るかも・・・」
「まあしゃべっても、誰も信じないって思うけど・・・」
「なんで?」
「クラスの女子全員にフラれた男の家にクラス全員の女子並べても敵わないくらい
ダントツに可愛い女の子いるなんて誰が信じる?」
「ダントツで可愛い?・・・誰が?・・・」
「君に決まってるだろ・・・」
「まじで・・・俺、本当は君のこと自慢して回りたいくらいだよ」
「俺、本当は死んじゃってたかもしれないんだよな」
「遊月ちゃんのおかげだ・・・つくづく死ななくてよかったって今は思ってる」
「私も助けてよかったって思ってるよ、今は・・・」
「愛してるよ遊月」
「私も・・・」
なんだかいい雰囲気・・・この素敵な時間をふたりは無駄には過ごす訳がない
わけでベッドを温めに行くには充分に心は高揚していた。
その夜、ふたりは・・・まあ多少、手こずったけど無事結ばれた。
これを持ってして姫巫女、遊月那姫は遊星の正式な妻になった。
つづく。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます