第14話:遊星のダチ。

さて、遊月とイチャイチャしたくて学校をサボった遊星。


学校を休んでも、誰も気にかけないって思ってたんだけど

それでも一人くらいは心配して学校早退してまで家に様子を見にやってくる

物好きがいた。


横地 公人 よこち きみひと」ってお名前のそいつは牛乳瓶の底みたいな

メガネをかけていて、とくに可もなく不可もなく目立つ存在の生徒でもなかった。

遊星とは趣味で話があって交流があった。

どちらにしてもオタクどうし。


様子なんか見に来なくていいのに迷惑にもやつは来た。

玄関のドアホンが鳴ったので、遊星がでたら横地くんが立っていた。


「え?、横地・・・おまえなにしに来た?」


「いや〜遊星お前がクラスの女子全員にフられたって?」

「学校中の笑いものになってたからな、お前・・・」


「余計な御世話だよ」


「でな・・・おまえが学校休んだって聞いて女子全員にフられたことが

ショックで世を儚んで死んじゃってるんじゃないかと思って・・・で、

見に来たんだ」


「そんなことで俺が死ぬ訳ないだろ」


電車に飛び込もうとしてたくせに?、遊月に助けられたくせいに?・・・。


「俺が生きてるって分かったろ?、もういいだろ・・・帰れよ」


「そんな冷たいこと言わないでさ・・・せっかく来たんだからなんか

飲ませてくれよ」

そう言って横地くんはずけずけ、家の中に上がりこんできた。


「おい・・・なに勝手に上がってんだよ」


「俺もさ、学校早退したから、これから暇なんだよな」

「なんかゲームとかアニメ見るとかしないか?」


そういいながら横地くんがリビングまでやってきた。

そこで彼は固まった。


目の前に見たことない、可愛い女子高生がソファにちょこんと座っていたからだ。


「え?・・・」

「あの・・・どうもお邪魔します」


横地くんは目線を女子高生に向けた彼女にちょこんとお辞儀した。


「こんにちは、遊星のお友達」


「遊星・・・おまえ学校休んでこの子と遊んでたのか?」


「遊んでたって言うな・・・」


「おまえ、こんな可愛い女子と暮らしてるのか?」


「暮らしてるって言うか・・・」


「こんな可愛い女の子がいるのに、クラスの女子全員に告ったのか?」

「なに考えてんだ遊星」


「違うよ、それは逆だよ・・・フラれたあとでこの子を知り合ったんだよ」


「あの、君のお名前教えてもらっていいですか?」


「なに勝手に聞いてんだよ・・・おまえには関係ないだろ」


「いやいやいや・・・今後のこともあるし、せっかく知り合えたのに名前も

知らないじゃ失礼だろ?」

「名前くらい聞いたっていいじゃん?」


つづく。


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